2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390461
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
宮崎 総一郎 滋賀医科大学, 医学部, 特任教授 (20200157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工 穣 信州大学, 医学部付属病院, 准教授 (70312501)
中田 誠一 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (10324435)
原 浩貴 山口大学, 医学部付属病院, 講師 (90274167)
岡 靖哲 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60419025)
安藤 裕史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (40619615)
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Keywords | 小児 / 睡眠呼吸障害 / 無呼吸低呼吸指数 / PSG検査 / 診断目的 |
Research Abstract |
本年度の研究1として小児睡眠呼吸障害の有病率調査を実施した。滋賀県内の幼稚園児全211名(3-6歳)に睡眠にアンケート、同意の得られた67名に、1)耳鼻科診察2)鼻腔通気度検査3)咽頭部レントゲン撮影4)携帯型睡眠検査を行った。その結果、無呼吸低呼吸指数(total AHI)の平均は1.8±2.7/hrであった。全呼吸イベント570回のうち中枢性無呼吸が58%を占めており、中枢性を除いた閉塞性無呼吸低呼吸指数(OAHI)の平均は0.8±2.2/hrであった。習慣性いびきの有無で補正した睡眠呼吸障害(SDB)の有病率は、OAHIが1以上を基準とした場合14.6%、OAHIが5以上を基準とした場合2.2%であった。OAHI1以上の群では1未満の群に比し、口蓋扁桃肥大度、アデノイド(A/N比)が有意に高値であった。鼻腔抵抗値には有意差は認められなかった。 研究2として、小児睡眠呼吸障害を無拘束評価できる多点感圧センサシートの開発を行なった。サイズを約半分としセンサ数を2倍としたことで、臥床接地面積が狭い小児でも詳細な呼吸記録ができ、寝姿をビデオのように可視化可能となった。また陥没呼吸を認識する解析ロジックを組み合わせたことで、終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)との相関値をr=0.91まで上昇させることができ、臨床応用可能なレベルに達した。現状での検査感度0.86、特異度0.65である。研究3として監視下PSGでの観察記録より,睡眠中の症候の定量化(得点化)を試み,その有用性について検討した。対象は小児SDB診断目的にPSG検査を施行した3歳~12歳の55例である。PSGの際に観察される項目につき,Sivanらの文献を参考にスコアリングを行い合計得点を観察得点とした。観察得点とPSGパラメータ等の相関,観察得点によるAHI診断精度,AHIの予測要因につき解析した。その結果、観察得点とAHI,酸素飽和度低下指数,最低酸素飽和度との間に相関がみられ,観察得点によるAHI診断精度は80%以上であった。また,観察得点の中で、いびきの頻度と酸素飽和度低下指数がAHIの主な予測要因になることが明らかとなった。
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