2010 Fiscal Year Annual Research Report
キャリア―細胞を用いたアデノウイルスベクターによる頭頸部癌の遺伝子治療
Project/Area Number |
21390462
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
丹生 健一 神戸大学, 医学研究科, 教授 (20251283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大月 直樹 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (40343264)
白川 利朗 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (70335446)
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Keywords | 頭頸部癌 / siRNA / EGFR / VEGF / 制限増殖型 / アデノウイルスベクター |
Research Abstract |
多くの腫瘍細胞においてEGFRやVEGFが高発現し、腫瘍の増殖や転移に深く関わっていることが明らかとなってきた。悪性腫瘍に対する新たな治療薬開発のターゲットとなることが期待され、これらの因子をターゲットとした抗体や阻害剤などの分子標的薬が意欲的に開発されている。頭頸部癌においても例外ではなく、既にEGFRに対する抗体薬が、欧米において標準治療の選択肢の中の一つとして認められつつある。しかし、EGFRやVGEFは体内の正常な細胞においても発現しているため、今までの化学療法薬とは異なった新たな副作用も問題となってきている。 そこで、今回我々は腫瘍細胞において特異的に増殖する制限増殖型のアデノウイルスベクターにEGFRやVEGFに対するsiRNAを組み込むことにより、正常組織に有害な副作用を与えることなく、EGFRやVEGFの発現を押さえ込むことを狙った新たな治療法の開発を目的に本研究を計画した。 平成22年度は、この制限増殖型アデノウイルスベクターを用いた実験に対して「遺伝子組換え生物等の第二種使用等をする間に執る拡散防止措置の確認」について、文部科学大臣に承認を得ることができたので、アデノウイルスベクターに組み込むためのsiRNAの配列を決定するために,EGFRとVEGFに対して遺伝子発現の抑制効果が確認されている既知のEGFRとVGEFのsiRNA配列を数種類ずつ候補として選び出し、発現ベクターに組み込んだ。現在、培養細胞を用いて、その発現と効果を確認しているところである。
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