2010 Fiscal Year Annual Research Report
喉頭神経制御機構の解明とその障害への対応に関する総合的研究
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21390463
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
久 育男 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (50181087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 均 京都府立医科大学, 医学研究科, 客員講師 (30360035)
島田 剛敏 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (30275226)
中野 宏 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (00405309)
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Keywords | 喉頭 / 神経制御機構 / 概日リズム / 腺分泌 |
Research Abstract |
マウス喉頭におけるアクアポリン発現に関する検討 喉頭腺及び上皮の水分子移動の仕組みを解明するために、マウス喉頭を用いて水分子チャンネルであるアクアポリン(以下AQP)発現分布及び自律神経による発現の制御を免疫組織化学法で調べた。AQP1は喉頭粘膜に広く発現し、主に上皮下、粘膜下腺の基底細胞、上皮下結合組織に分布していた。喉頭腺においてAQP2、3、5が主に分布し腺分泌に関与していると考えられた。これら喉頭腺AQPは迷走神経を切断によって発現が減弱し、副交感神経による発現制御を受けていることが示された。声門上、後部声門、前交連、及び声門下の線毛上皮にはAQP4、5の発現がみられた。声帯においては前交連から膜様部の扁平上皮への移行部にかけて基底側にAQP4が発現、AQP5は声帯全長にわたって管腔側に発現していた。AQP発現はいずれも迷走神経切断によって変化を認めなかった。AQP5は気道分泌において特に重要なサブタイプとされているが、声帯粘膜の湿潤においても中心的な役割を担っていると考えられた。 モルモット脳幹における発声領域の検討 モルモット脳幹における発声領域を検討するため、脳幹に系統的に電気刺激を行い発声運動を誘発した。さらに発声を誘発するニューロンの局在について検討するため、グルタミン酸アゴニストおよびGABAアンタゴニストの脳幹への微小注入を行った。脳幹における電気刺激による発声領域は中心灰白質より連続的に下位脳幹に広がっていた。また、化学刺激による発声運動は中心灰白質、傍腕核、橋背側網様体で観察された。さらに非動化発声モデルを作成し非動化時における発声活動の観察が可能であることを示した。
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