2011 Fiscal Year Annual Research Report
加齢黄斑変性の危険因子の解明と予防に関する大規模ゲノム疫学研究
Project/Area Number |
21390468
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石橋 達朗 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30150428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清原 裕 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80161602)
久保 充明 独立法人理化学研究所, 理化学研究所, チームリーダー (30442958)
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Keywords | 加齢黄斑変性 / 遺伝子解析 / ゲノムワイドアプローチ |
Research Abstract |
高齢者の黄斑に生じる加齢黄斑変性age related macular degeneration (AMD)は、高齢化社会が進行中の我が国をはじめとした先進国において、成人の失明や視力低下の主因となっているが、現在AMDに対する根本的な治療はなく、その病因解明は社会的急務である。その発症には、遺伝的素因(体質)や環境因子など様々な因子が関与していると考えられている。本研究はAMDのゲノムワイド疫学研究によってAMDの遺伝的危険因子を同定しその病因を解明することを目的とする。AND罹患者および久山町健診受診者の健常者から採取した血液よりDNAを抽出し、加齢黄斑変性の発症および進展に影響を及ぼすSNPを体系的、網羅的なゲノムワイドアプローチにより解析する。 平成23年度の研究実施計画は加齢黄斑変性の遺伝子多型の解析であり、計画通り実施できた。具体的には、本遺伝子解析研究用の採血に同意された方に対し、従来報告のある既知の候補遺伝子(CHF,HTRA-1,APOE,ELOVL4,FBLN5,C2,BFなど)によるアプローチと体系的なゲノムワイドアプローチによるSNP解析を行った。血液より抽出したDNAは、理化学研究所にてSNP解析を行った。提供先機関は理化学研究所・ゲノム医科学研究センター基盤技術開発グループ多型解析技術開発チームである。また、SNPの解析者への情報は、匿名化IDのみを供与し、個人識別情報を含めない。患者群と対照群に対するゲノムワイド関連解析において約50万か所の一塩基多型(SNPs)を比較し、AMDの新しい関連遺伝子を探索した。本研究は既知の候補遺伝子によるアプローチと体系的なゲノムワイドアプローチによりSNP解析行うものであり、解析の結果、AMDのの発症あるいは進行に関与する複数の候補遺伝子が同定された。さらに同定された遺伝子の再現性を確認するため、Replicationとして新たに集団を設定して、遺伝子の関連解析を行った。
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