2011 Fiscal Year Annual Research Report
干渉RNAの脈絡膜血管新生抑制の分子機構の解明と新規治療手段の開発
Project/Area Number |
21390469
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小椋 祐一郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70191963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 宗徳 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (60273447)
安川 力 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (00324632)
野崎 実穂 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00295601)
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Keywords | 脈絡膜新生血管 / 加齢黄斑変性 / RNA干渉(siRNA) / アテロコラーゲン / VEGF |
Research Abstract |
【目的】RNA干渉は、新しい治療方法として注目を集めているが、一方で非特異的な作用や免疫応答の問題も報告されている。バイオマテリアルであるアテロコラーゲンは、siRNAと複合体化させて血中に投与しても、ほとんど免疫応答が観察されず、siRNA導入の担体としての有効性が期待されている。昨年度までに我々は、マウスレーザーCNVモデルを用いて、siRNA導入へのアテロコラーゲンの有用性を確認し、標的のないsiLucは単体で導入すると非特異的な血管新生抑制がみられるが、アテロコラーゲンと導入すると血管新生抑制作用がみられないことを明らかにした。 【方法】雄の生後約8週のC57BL/6Jマウスに対してレーザー網膜光凝固を行い、CNVを作成した。レーザー網膜光凝固直後に、標的のあるsiRNA(mouse VEGFに対するsiRNA ; siVEGF)あるいはアテロコラーゲンとsiVEGF複合体を硝子体内に投与し、7日後に蛍光眼底造影(FA)、CNV容積を測定した。 【結果】蛍光眼底造影では、コントロールと比較し、siVEGF単体、siVEGFとアテロコラーゲンとの複合体投与群両群とも漏出が有意に抑制されていた(p<0.01)。CNV容積は、対照群で559112.4±63765.6μm^3、siVEGF単独投与群で290663.8±35643.9μm^3、siVEGFとアテロコラーゲン複合体同時投与群で288017.4±31012.6μm^3とsiVEGF単独投与群、siVEGFとアテロコラーゲン複合体同時投与ともCNV容積が有意に抑制されていた(p<0.01)。 【結論】今回の結果から、レーザーCNVモデルにおいてアテロコラーゲンと複合体を作成すると標的のあるsiRNAによる血管新生抑制効果がみられ、今後、アテロコラーゲンの、眼科領域におけるsiRNA導入の担体としての臨床応用の可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスを用いたアテロコラーゲンの有用性の実験は予定どおり進んでいるが、家兎、サルを用いた実験はまだ始められていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスを用いて生体適合性の検討を行い、安全性についての確認を行う。またToll-Like receptor 3(TLR3)が、siRNAによる非特異的な血管新生抑制作用に関与していることが報告されており、TLR3を抑制するクロロキンを用いてsiRNAの非特異的な血管新生抑制作用がアテロコラーゲンによってブロックされているかを明らかにする。またIL-12といった免疫シグナルの変化についても研究する。
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