2009 Fiscal Year Annual Research Report
ユーザーインターフェース重視の腹腔鏡用細径多自由度鉗子の開発とNOTESへの展開
Project/Area Number |
21390473
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩中 督 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 教授 (90193755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 正彦 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00270877)
田中 裕次郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90382928)
光石 衛 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90183110)
杉田 直彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (70372406)
小泉 憲裕 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任講師 (10396765)
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Keywords | 小児 / 内視鏡下手術 / 腹腔鏡 / 手術器械 / 鉗子 / 手術支援システム / ロボティックサージェリー |
Research Abstract |
まず,細径でありながら多自由度を有する鉗子の機構開発を行った.鉗子の仕様は新生児にも使用可能となるように鉗子径を3mmとし,また,多方向運針を容易化するために,鉗子先端部に屈曲1自由度(0~90°),屈曲部よりも先の先端部長軸周り回転1自由度(±180°),および開閉(把持)1自由度(0~60°)の3自由度を持たせることとした.鉗子の駆動方法としてワイヤを採用し,把持部の開く動作のみV字バネの復元力を利用した. 試作した鉗子の動作評価では,全自由度での動作が確認されたが可動範囲が理論値に達しなかった.屈曲の理論値は±90°であったが実験値では±60°程度であった.回転の理論値は±180°であったが実験値は±45°であった.把持開閉の理論値は60°であったが実験値では30°程度であった. 可動範囲が理論値に達しなかった原因として,V字バネの復元力の弱さ,ワイヤ同士もしくはワイヤが通るシャフト内壁とワイヤとの干渉・摩擦などが考えられた.現在,ギアを用いた新機構の2号機を開発中であり,平成22年度に試作する. また,開発中の鉗子は先端に多自由度を有するため術者の操作が複雑となる可能性が高い.術者が直感的に使用できる,使いやすい鉗子操作部を提案することが必須である.まず,指と手首の動作パターンと3自由度の組み合わせから操作部候補を網羅的に列挙した.次に,明らかに使いにくいものや誤動作の可能性が高いものを除外した.腹腔鏡下の運針・縫合動作において把持動作は独立していると考えられるため,第1段階として把持動作入力部のない,屈曲と回転動作の入力部のみを備えた6パターンの操作部に絞り込み,プロトタイプを作成した.それらを独自に開発したシミュレータに接続して医師を対象とした評価実験を行い,最終的に最も使いやすい鉗子操作部を決定した.平成22年度は,把持動作入力部を追加した操作部を作成する予定である.
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Research Products
(2 results)