2011 Fiscal Year Annual Research Report
ユーザーインターフェース重視の腹腔鏡用細径多自由度鉗子の開発とNOTESへの展開
Project/Area Number |
21390473
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩中 督 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90193755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光石 衛 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90183110)
杉田 直彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (70372406)
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Keywords | 腹腔鏡手術 / 小児外科 / 医工連携 / 術具開発 / 持針器 |
Research Abstract |
本研究の目的は,操作者の使いやすさを重視した,細径で多自由度をもつ腹腔鏡用持針器を開発することであり,持針器を駆動部と操作部の2つに分けて各部の開発を並行して行ってきた.平成22年度までの2年間で,直感的に動かすことが可能な持針器操作部を作成することができた.しかし駆動部に関しては,良好な動作範囲を得られるようになったものの,把持力不足で十分な縫合動作ができるまでには至っていなかった. そこで本年度は,まず,機構を見直して把持力強化のための改良を行った.具体的には,ギアのモジュールを極限まで増大させた.また,把持面にゴムコーティングを施した.この改良駆動部を平成22年度に完成済みの操作部と接続して動作評価を行い,運針結紮が可能であることを確認した. 続いて開発持針器の有用性評価実験を行った.対象は医師6名であり,持針器挿入方向に対して横方向と縦方向の運針をドライボックス内で課した.評価項目は刺入・刺出の正確性とタスク遂行時間であり,操作性に関するアンケート調査も行った.その結果,横方向,縦方向運針ともに正確性,タスク遂行時間において両持針器間に有意差を認めなかった.アンケートでは,6名中5名が従来型持針器の方が横方向運針をやりやすいと回答したが,縦方向運針に関しては4名が開発持針器の方がやりやすいと回答した. 本研究で開発した持針器は,従来型持針器では困難だった持針器挿入方向に対して縦方向の運針を容易化することに成功した.本持針器が臨床使用可能となれば,小児内視鏡手術の適応がさらに拡大し,安全で低侵襲な手術をより多くの患児に提供することが可能となる.
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