2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390476
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
館 正弘 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50312004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 和義 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10253973)
菅野 恵美 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10431595)
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Keywords | バイオフィルム / 創傷治癒 / 慢性創傷 / 糖尿病性足潰瘍 |
Research Abstract |
前年度までに確認された緑膿菌PAO1株の創傷接種によるTNF-α依存性の皮膚創傷治癒メカニズムの解明を目的として、ホモセリンラクトンの投与、およびブロックの実験を行った。成果は以下のものである。1、クオラムセンシング調節遺伝子のうち、1asI遺伝子発現は創部の再上皮化,白血球集積,TNF-α産生に促進的に関与していた。3-oxo-C12-HSLは急性創傷において再上皮化,白血球集積の促進に関与した。3.3-oxo-C12-HSLはRAW264.7,J774-1,MH-S,マウス腹腔マクロファージからのTNF-α,IL-12産生を誘導しなかった。4.マクロファージ細胞は3-oxo-C12-HSLで刺激することにより,アポトーシスが誘導された。またC4-HSLの投与実験では以上のことが明らかになった。1.rh1I遺伝子欠損によりPAO1株の治癒促進,白血球集積促進効果が低下した。2.C4-HSLは再上皮化を促進する効果を有するが,濃度により作用が異なる可能性がある。3.高濃度のC4-HSLはLPSによる活性を阻害する可能性がある。 抗バイオフィルムの方法として、低侵襲性体外衝撃波治療法を活用することを柱とし東北大学医学部循環器内科と共同で、マウスモデルを用いて衝撃波照射を開始し毛細血管新生、バイオフィルム抑制効果の有無を検討した。マウスはeNOS-ノックアウト(eNOS-KO)マウスを用いると照射による差はなかった。次に、VEGFおよびeNOSのmRNAレベルでの発現を調べたところ、野生型の照射群では確認できたが、eNOS-KO型の照射群では確認できなかった。またCD31の免疫染色で血管密度(MVD)を計測したところ、野生型では対照群よりも照射群が有意に増加したが、eNOS-KO型では両群の間に有意差はなかった。バイオフィルムの直接的な抑制作用と、eNOS経路を介した血管新生を通じて間接的に生体の作用による制御の2つの作用機序が予想された。
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Research Products
(7 results)