2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390479
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
平野 明喜 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90208835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 定伯 長崎大学, 長崎大学病院, 助教 (90315250)
吉本 浩 長崎大学, 長崎大学病院, 助教 (90513309)
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Keywords | 放射線防護 / サイトカイン / 頭蓋顔面組織 / アポトーシス / CD31 / vWf / ミニブタ / Ki67 |
Research Abstract |
発生学的解析では非症候群性口唇裂を顎裂の有無で選別検討したが染色体8q24及びその浸透性には関連を見いだせなかった。頭蓋発生後の成長抑制に放射線治療後の変形があるが、非ヒト前臨床試験モデルとしてミニブタを使用したところ、サイトカインであるbFGF製剤を放射線照射後早期から投与した場合、皮膚軟部組織障害が防御できた。ミニブタ皮下組織に組織拡張器(ティッシュ・エクスパンダー)挿入し10Gyの放射線照射後、直後からbFGF溶液投与した群では、投与しなかった群と比較して、潰瘍形成頻度は全く認められなかったが、対照群では80%に明かに障害を認めた。また組織の検討ではTUNEL染色とH&E染色による表皮アポトーシス数の計測ではbFGF投与群では有意にアポトーシス細胞の減少を認めた。Ki67免疫染色による表皮基底細胞の細胞増殖能の計測では、放射線照射群は正常組織に比べて有意に免疫陽性細胞数が減少していた。CD34、CD31、vWf免疫染色による真皮血管新生発現を検討したところ、CD34、CD31免疫染色では放射線照射群が非照射治療群と比較し有意に免疫陽性細胞数が減少し、vWf免疫染色では放射線照射群が無処置群に対し有意に免疫陽性細胞数の減少を認めた。3つの免疫染色すべてにおいて、放射線照射bFGF治療群は放射線照射bFGF未治療群に対し有意に免疫陽性細胞数の増加を認めた。 電子顕微鏡所見では。放射線照射bFGF治療群は正常な表皮を示した。皮下組織も正常な毛嚢と脂腺を観察した。一方、放射線照射bFGF未治療群では角化層は損傷され、細胞浸潤を伴う、薄い真皮と少ない皮下組織が観察された。以上から頭蓋顔面領域においても放射線照射の影響検討は有効であると推測され、幹細胞の移植などによる組織再生治療方法の確立が期待される。
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Research Products
(5 results)