2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄球系細胞活性化制御分子CD300を標的とした敗血症治療法の開発
Project/Area Number |
21390481
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田原 聡子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (20360589)
|
Keywords | 敗血症 / エンドトキシンショック / CD300a / CD300d / MAIR-I / MAIR-II / 抗体療法 / TLR4 |
Research Abstract |
【研究目的】自然免疫応答は感染防御の最前線を担う生体防御機構であり、この活性化が不十分であると病原体感染が全身に広がり、全身性炎症反応症候群を呈して敗血症の発症に至る。そのため、自然免疫応答の活性化制御機構を明らかにすることは、敗血症病態の分子機構の理解と人為的制御法の開発において重要な課題である。申請者らは、自然免疫応答において主要な働きを担う骨髄球系細胞の活性化抑制受容体であるMAIR-1(CD300a)および活性化受容体であるMAIR―II(CD300d)を同定し、それぞれの遺伝子欠損マウスを樹立した。H21年度ではMAIR-I遺伝子欠損マウスの解析を行い、H22年度ではMAIR-II遺伝子欠損マウスの解析を行った。H23年度では、MAIR-Iの生理的役割を明らかにするため、MAIR-Iリガンドの同定を試みた。 【方法と結果】 1,MAIR-1の細胞外領域とヒトIgGlのFc領域を融合したMAIR-Fcキメラ蛋白を用いて、リガンド発現様式を解析した結果、MAIR-IFcはカルシウムイオン存在下でAnnexin-V陽性のアポトーシス細胞に結合することを明らかにした。 2,MAIR-IFcがフォスファチジルセリン(PS)と結合することをELISA法にて明らかにした。 3,MAIR-Iが発現する肥満細胞をアポトーシス細胞で刺激するとMAIR-Iの細胞内に存在するITIMモチーフのチロシン残基のリン酸化に伴い、脱リン酸化酵素が会合することを見出した。 【本年度の研究成果】MAIR-Iはアポトーシス細胞に発現するフォスファチジルセリンをリガンドとして認識し、TLR-4シグナルを介した活性化シグナルを抑制する機能を持つことを明らかにした。
|
Research Products
(10 results)