2011 Fiscal Year Annual Research Report
アデノシンレセプターを標的とした好中球機能の調節と急性肺障害に対する治療法の開発
Project/Area Number |
21390485
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
井上 貴昭 順天堂大学, 医学研究科, 先任准教授 (60379196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 裕 順天堂大学, 医学研究科, 教授 (90252676)
岡本 健 順天堂大学, 医学研究科, 教授 (40347076)
松田 繁 順天堂大学, 医学研究科, 先任准教授 (00317471)
角 由佳 順天堂大学, 医学研究科, 准教授 (40403084)
岩渕 和久 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (10184897)
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Keywords | A3 adenosine receptor / SIRS / 好中球 / 高張塩化ナトリウム溶液(HS) / Biomarker / 過剰酸素(dROM) / 抗酸化能(dROM) |
Research Abstract |
【研究の目的】 1.全身性炎症反応症候群(Systemic Inflammatory Response Syndrome ; SIRS)患者の重症度評価指標となるbiomarkerについて、A3 Adenosine receptor(A3ADR),過剰酸素(Reactive Oxygen Metabolites ;sdROM)・抗酸化能(Biological Anti-oxident Potential;BAP),白血球変形能を測定し、その相関を明らかにすること。 2.上記biomarkerが病勢の変化による経日的変化を明らかにすること。 3.In vitroにおいて高張壌化ナトリウム溶液(Hypertonic Saline;HS)の投与によってA3ADR発現に生ずる変化を明らかにすること。 【研究方法】 SIRS基準を満たす患者について全血液を採取し、Micro channel Flow Analyzerを用いて白血球変形能を血液sample100uLの流速(FlowμL/sec)とマイクロチャンネル閉塞率(%)で定量計測した。同様にFRAS4を用いて(dROM/BAPを測定した。同時に各々CRP、WBCを測定して、比較検討を行った。またフローサイトメトリーを用いてin vitroにおけるfMLP刺激下のPMN表面のA3ADRを測定し、更にHS投与下でのA3ADR発現信号強度を測定した。 【結果】 1.SIRS群(N=24、59samples)は健常人(N=23)と比較して、有意に白血球変形能の低下、dROM/BAPの低下、及びA3ADR発現の増強を認めた。A3発現率はdROMと負の、CRP値と正の有意な相関を認めた。また白血球変形能は、且owく1.0の症例においてWBC及びCRPと有意な負の相関を認めた。 2.A3発現率及びBAP/dROMは炎症所見の改善と共に変化を認めたが、原疾患によってその経旨的変化は異なった。 Sepsisでは早期に高値であり、経日的に低下したが、外傷では早期は低値であり、経日的に増加した。 3In vitroにおけるHS投与は、A3ADR発現率を有意に低下させた(HS-vsHS+:130±48%,158±95%,p<0.05)。 【結語】A3ADRは従来の炎症マーカー及び生体ストレスを反映する白血球変形能、酸化ストレス・抗酸化能と相関を認め、治療効果判定として有用であると考えられた。またHSはin vitroにおいてA3ADR発現を抑制し、PMN活性化の抑制効果があると考えられた。
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Research Products
(4 results)