2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨細胞・骨細管系による骨基質ミネラル維持機構の解明
Project/Area Number |
21390488
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
網塚 憲生 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 教授 (30242431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 敏啓 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (60447612)
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Keywords | 細胞・組織 / 解剖学 / 骨細胞 / 骨 / 歯学 |
Research Abstract |
本研究計画では、破骨細胞が存在しないc-fos^<-/->マウスをPTH投与群・非投与群に分けて組織化学的に検索した。生後9週齢のc-fos^<-/->マウスおよび野生型マウスにhuman PTH(1-34)を214ng/kg/hを2週間投与しアルデヒド溶液にて灌流固定後、大腿骨を摘出してパラフィンあるいはエポキシ樹脂に包埋した。解析項目として、dentin matrix protein 1(DMP-1)、血清リン濃度を調節するfibroblast growth factor23(FGF23)・骨芽細胞抑制因子であるsclerostin組織化学および鍍銀染色を行い、また透過型電子顕微鏡観察を行った。その結果、野生型マウスの大腿骨皮質骨には規則的な骨細管系が認められたが、c-fos^<-/->マウスでは不規則な骨細管系しか観察されなかった。DMP-1は野生型マウスおよびc-fos^<-/->マウスともに骨細胞や骨細管に局在していた。しかし、c-fos^<-/->マウスでは、極弱いFGF23陽性反応とsclerostin強陽性反応を示す骨細胞、ならびにごく弱いALP陽性反応を示す骨芽細胞しか観察されなかった。野生型マウスでは規則的配列を示す骨細管系に強いFGF23/sclerostin発現が認められることから(Ubaidus, Amizuka et al., 2009)、c-fos^<-/->マウスでは骨細管系が不規則な配列を示すだけでなく、FGF23の産生低下とsclerostin産生上昇が誘導されていると考えられた(佐々木、網塚ほか 日本解剖学会 2010年 盛岡)。c-fos^<-/->マウスにPTHを投与しても、骨細胞周囲の骨基質の微細構造、FGF23, sclerostinの産生は大きな変化を示さなかった。従って、不規則な骨細管系は機能的に非効率であると推測された。現在、引き続き、詳細な解析を続けている。
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Research Products
(4 results)