2011 Fiscal Year Annual Research Report
分子進化学から探る酸性リン蛋白質による生体内石灰化機構の解明
Project/Area Number |
21390491
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
豊澤 悟 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (30243249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 万騎男 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (30273692)
佐藤 淳 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (70335660)
岸野 万伸 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (60346161)
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Keywords | 分子進化 / 生体内石化化 / リン酸化 / 酸性リン蛋白質 / カゼインキナーゼ |
Research Abstract |
骨基質蛋白質の酸性リン蛋白質であるdentin matrix protein 1(DMP1)は、生体内でマイナス荷電体となり、強いCa^<2+>結合能を介して骨の石灰化に関与すると考えられているが、その石灰化機構の詳細は明らかではない。我々は、分子進化学的検討から、DMP1分子の機能に重要と考えられるアミノ酸配列の特徴を見出した。その1つは、カゼインキナーゼ(CK)によるリン酸化配列であり、CKによるリン酸化はDMP1分子の機能に重要であると考えられる。 本年度は、セリンのリン酸化(P-Ser)を特異的に認識する良い抗体を購入できたため、骨組織を用いて、DMP1とP-Serの分布を共焦点レーザー顕微鏡にて観察し、生体内ではDMP1中のSerがリン酸化していることを証明した。次に、培養骨芽細胞の石灰化過程において、同様の手法で、培養骨芽細胞が分泌したDMP1中のSerがリン酸化状態にあることを証明した。 また、骨芽細胞におけるCK2過剰発現実験による石灰化促進効果を検討しようとしたがうまく行かず、その代わりに、骨芽細胞の石灰化培養実験にCKII活性阻害剤を添加して、リン酸化阻害を行い、石灰化に及ぼす影響を検討した。アリザリン染色による検討の結果、CKII活性の阻害により石灰化が抑制されることから、生体内でCKIIによりリン酸化されてマイナス荷電したDMP1は石灰化を促進させると推測された。
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Research Products
(5 results)