2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間葉系幹細胞を用いた骨破壊制御:組織幹細胞特異的表面マーカーの開発とその応用
Project/Area Number |
21390492
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久木田 敏夫 九州大学, 薬学研究院, 教授 (70150464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 明子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (30153266)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 表面マーカー / モノクローナル抗体 / 細胞分化 / 骨髄 |
Research Abstract |
本研究ではMSCの新規膜表面マーカーを開発し、GFPマウス骨髄から同マーカーを用いて免疫学的にMSCを純化し、炎症性骨破壊を伴う関節炎モデル動物に純化されたMSCを投与することにより骨破壊斜御を行う。炎症性骨破壊の場に於けるMSCの挙動を分子形態学的に追跡し、その骨破壊制御機構を解明する。同様の実験をMSCホーミングの鍵を握ると考えられるケモカインについて解析を行う。更にMSCの新規膜表面マーカーに特異的モノクローナル抗体や特異的siRNA等を用いて、MSC新規膜表面マーカー分子の機能推定実験を行うことを目的とする。本研究ではマウスの間葉系幹細胞についてその表面マーカーを開発し、関節炎マウスの炎症性骨破壊を制御することを最終的な目的としたが、マウス間葉系幹細胞の分離が不安定であったことから、先に調製に成功したラットの間葉系幹細胞について表面マーカーの開発とラット関節炎モデル(アジュバント関節炎)の制御を中心に行うことにした。bFGF依存的な増殖を指標として調製されたラットMSCは骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞へ分化する能力を有しており、表面マーカーもCD90+、CD29+、CD31-、CD45-であり幹細胞であることを確認した。MSCは破骨細胞分化抑制性サイトカインであるOPGとIL10を発現することがわかった。MSCは試験管内で破骨細胞分化を抑制することが分かった。MSCはケモカイン受容体であるCCR1とCCR3及びCXCR4を発現しており、炎症性骨破壊部部位で高発現するケモカインMIP1αとSDF1αに対して細胞移動することが分かった。今回、投与したMSCが炎症性骨破壊部位へ移動していることを実証することは技術的な問題によりできなかったが、MSCが炎症部位へ選択的に移動し破骨細胞分化を制御する可能性が、本研究により示唆された。
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Research Products
(3 results)