2009 Fiscal Year Annual Research Report
GABAシグナリング調節分子による摂食調節メカニズムの解明研究
Project/Area Number |
21390495
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
兼松 隆 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (10264053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 克也 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (10116684)
北山 友也 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60363082)
原田 佳枝 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60432663)
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Keywords | 摂食 / GABA / PRIP |
Research Abstract |
本研究課題で取り扱うPRIP分子とは、我々が見出した新規イノシトール三リン酸結合性タンパク質である。これまでに、PRIP分子がGABA_A受容体の細胞内輸送を制御する分子であることを明らかにしてきた。さて、作製したPRIPノックアウトマウスは、過食であるという興味ある表現型を示した。そこでその原因を、GABAシグナリングによって制御されている視床下部の摂食中枢との関係を明らかにして、PRIPを介した新しい摂食調節メカニズムの分子基盤を見出す事を目的に実験を行った。 初年度は、まずPRIP KOマウスの摂食行動を主に解析した。 1.PRIP KOマウス(雄)の摂餌量は、野生型の摂餌量に比べて有意に増加していた 2.PRIP KOマウス(雄)の体重は、野生型に比べてむしろ低体重で推移した。 3.呼吸代謝(酸素消費量と二酸化炭素排出量)は、野生型に比べて有意に亢進しており、体温も高値で推移した。 4.自発運動量は、PRIP KOマウスで夜間特有なパターンを示したが、総運動量は野生型とあまり変わらなかった。昼間は、両者の運動量やそのパターンに明らかな差異が認められた。 これらの事は、PRIP KOマウスの摂食行動メカニズムが複雑に制御されている事を示唆している。しかしながら、中枢内に直接薬物を作用させる事で、その摂食行動パターンにどのような違いが生まれるかを詳しく検討し、今後実験目的を達成するために引き続き検討を行っていく。
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Research Products
(5 results)