2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの主要ながん抑制経路における核マトリクス結合因子の機能的役割の解明
Project/Area Number |
21390502
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
池田 正明 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (20193211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 清 関西学院大学, 理工学部, 教授 (30201974)
池田 やよい 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (00202903)
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Keywords | 癌抑制遺伝子 / p53 / RB / 分子生物学 / 細胞周期 / アポトーシス / 核内高次機能 / 核マトリクス結合因子 |
Research Abstract |
本研究はヒトの主要ながん抑制経路におけるARID3ファミリー遺伝子(DRIL1およびDRIL2)の機能を明らかにすることを目的としている。解析の結果、もう一つのARID3ファミリー遺伝子であるDRIL3も主要ながん抑制経路に関与し、また、それぞれのファミリー遺伝子が固有の役割を担っていることが明らかになってきた。 1.p53がん抑制経路における機能解析 (1)DRIL1はp53による細胞周期停止に関与するp21/WAF1の転写活性化に重要な役割を担っていることが明らかになった(Lestari、et aL,2012)。(2)DRIL2とDRIL3はアポトーシス誘導に関与するp53標的遺伝子の転写活性化に重要であることが明らかになった(投稿準備中)。 2.RBがん抑制経路における機能解析 RBは細胞増殖に重要な転写因子であるE2Fの抑制因子である。解析の結果、DRIL1およびDRIL2がE2F標的遺伝子の転写活性化および細胞増殖に重要であることが明らかになった(投稿中)。一方、DRIL3は細胞増殖に対して抑制的に作用していることが示唆された。 3.TGFβ/BMPシグナル応答の機能解析 TGFβ/BMPシグナルは骨分化過程において重要な役割を担っている。DRIL2の発現を抑制すると骨分化が阻害されることが分かった。 以上の結果は、主要ながん抑制経路の制御とARID3ファミリー遺伝子の役割について重要な知見をもたらし、細胞増殖、細胞分化および癌の研究の進展に寄与すると考えられる。
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Research Products
(13 results)