2010 Fiscal Year Annual Research Report
ADAMTSL4の歯根膜再生能力の解析ならびに新規歯科保存治療薬の開発
Project/Area Number |
21390509
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
齋藤 正寛 東京理科大学, 基礎工学部, 准教授 (40215562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺中 敏夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (60104460)
辻 孝 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (50339131)
須田 直人 明海大学, 歯学部・形態機能成育学講座歯科矯正学, 教授 (90302885)
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Keywords | 再生 / 歯根膜 / マイクロフィブル / 創傷治癒 / 発生 / 弾性線維 / 結合組織 / マルファン病 |
Research Abstract |
ADAMTSL6βはマイクロフィブリルの主成分であるfibrillin-1の線維形成を促進する機能を有する。昨年度までの研究成果で、ADAMTSL6βは歯根膜発生原器である歯小嚢で発現し、過剰発現することで歯根膜のfibrillin-1線維形成を促進することを見いだした。この結果よりADAMTSL6βが歯根膜形成に促進的に関わる可能性が示された。そこで当該年度は、この仮説を証明するために歯根膜再生過程におけるADAMTSL6βの機能を解析する研究計画を実施した。ADAMTSL6βを過剰発現させた再構成歯胚における歯根膜細胞マーカー遺伝子の発現に及ぼす影響を解析した。その結果、ペリオスチン、I型コラーゲンの遺伝子発現を顕著に低下させることが判明した。 ADAMTSL6βによるペリオスチン、I型コラーゲンの遺伝子発現低下は再構成歯胚のみならず、ヒト歯根膜細胞にも同じ影響を示す事から、歯根膜形成は促進するが、歯根膜細胞分化に対して抑制的に働くことが判明した。ペリオスチンはTGF-βシグナルで遺伝子発現が調節しているから、ADAMTSL6βがTGF-βシグナルに及ぼす影響を解析した。その結果、ADAMTSL6βはTGF-βと物理的に結合し、その機能を抑制することを明らかにした。本研究成果により、ADAMTSL6βはマイクロフィブリル形成誘導を介してTGF-βシグナルを抑制的に制御している事が判明した。
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