2011 Fiscal Year Annual Research Report
ADAMTSL4の歯根膜再生能力の解析ならびに新規歯科保存治療薬の開発
Project/Area Number |
21390509
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
齋藤 正寛 東京理科大学, 基礎工学部, 准教授 (40215562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺中 敏夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (60104460)
辻 孝 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (50339131)
須田 直人 明海大学, 歯学部・形態機能成育学講座歯科矯正学, 教授 (90302885)
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Keywords | 再生 / 歯根膜 / マイクロフィブリル / 創傷治癒 / 発生 / 弾性繊維 / 結合組織 / マルファン病 |
Research Abstract |
ADAMTSL6βはマイクロフィブリルの主成分であるfibrillin-1の線維形成を促進する機能を有する。昨年度までの研究成果で、ADAMTSL6βはマイクロフィブリル形成誘導を介してTGF-βシグナルを抑制的に制御している事が判明した。そこで本年度はfibrillin-1形成不全で結合組織形成不全を引き起こすマルファン症候群に対して、ADAMTSL6βの改善効果を解析した。この目的を達成するマルファン症候群モデルマウスを用いて、歯根膜損傷モデルを確立し、組換えADAMTSL6βの局所投与による治療効果を検証した。健常マウスの場合、歯根膜に損傷を与えても術後1週間で治癒するが、マルファン症候群モデルマウスの場合は一ヶ月経過しても創傷治癒不全が観察された。組織解析の結果、マルファン症候群モデルマウスの歯根膜は損傷を受けるとTGF-βシグナルが活性化され、結合組織崩壊に働くマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-9が高発現していることが確認された。ところが組換えADAMTSL6βを含むコラーゲンシートをマルファン症候群モデルマウスの歯根膜損傷部位に挿入すると、創傷治癒が誘導された。マイクロフィブリルの再形成が誘導されるばかりでなく、TGF-βシグナルおよびMMP-9の発現低下が誘導された。次にマルファン症候群患者より採取した歯根膜細胞を用いて、組換えADAMTSL6βのマイクロフィブリル形成不全改善効果を観察した。その結果、マルファン症候群患者より採取した歯根膜細胞で観察されるマイクロフィブリル形成不全は、組換えADAMTSL6βの添加により改善されることが観察された。この結果より、ADAMTSL6βはマルファン症候群の新規治療薬として開発される可能性が示された。
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Research Products
(8 results)