2011 Fiscal Year Annual Research Report
安定型マトリックスメタロプロテナーゼ3を用いた新しい歯髄炎治療薬の開発
Project/Area Number |
21390512
|
Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
中村 洋 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (40064878)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 美砂子 国立長寿医療研究センター, 口腔疾患研究部, 室長 (20207773)
中田 和彦 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (70261013)
|
Keywords | MMP3(マトリックスメタロプロテアーゼ3) / 抗炎症作用 / 歯髄炎治療薬 / 歯髄再生 |
Research Abstract |
歯髄炎治療薬としてのMMP-3の作用メカニズムの解明を行うため、MMP-3タンパクを大量に準備する発現系の確立を試みた。最初に動物細胞によるMMP-3の発現を検討した。動物細胞は293細胞にMMP-3発現遺伝子を導入し、薬剤で選択してMMP-3の安定発現細胞を作製した。この細胞を大量に増やし、MMP-3を含む培地を回収した。その後、MMP-3をこの培養上清からHisタグを使って精製した。得られたMMP-3のタンパク質分解活性は基質としてカゼインを用いたザイモグラフィーにより活性を確認した。しかし、精製により得られたMMP-3量は培養上清100mlから約10ng程度であったため、当初計画した実験を行うための十分な量を確保できなかった。そのため、比較的大量にタンパク質を発現できる同じ真核細胞である酵母Pichia pastoris発現系を検討した。発現ベクター作製や高発現クローン選択はメーカーの手順書に従って行った。その結果、培養上清100mlから0.5mgの精製MMP-3タンパクを得た。実験用として得るタンパク量としては十分でMMP-3タンパク大量発現系の確立という当初の目的を概ね達成した。 次に歯髄炎治療薬としてのMMP-3の作用メカニズム解明のために、ヒト歯髄組織中からMMP-3結合タンパクを検索した。具体的には、抜去歯から歯髄組織を摘出し組織ホモジネートを作製した。次に不活性MMP-3をHisカラムに結合させ、その後ヒト歯髄ホモジネートをHisカラムに添加し、洗浄の後MMP-3に結合したタンパクをMMP-3とともに溶出した。溶出したタンパクは今後質量分析にて解析を行う。
|
Research Products
(3 results)