2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯の喪失は認知症のリスクになるか-脳MRIデータベースの構築
Project/Area Number |
21390513
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊池 雅彦 Tohoku University, 病院, 教授 (60195211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下西 充 東北大学, 病院, 助教 (40302153)
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Keywords | 歯の喪失 / 歯周病 / 脳MRI / 認知症 / Fazekasスコア |
Research Abstract |
本研究は、これまで実施してきた「歯の喪失は痴呆のリスクになるか-MRIによる長期前向き研究」をさらに発展させたものである。申請者らがこれまで行ってきた横断研究では、原因と結果の関係が不明であるので、歯の喪失が認知症のリスクになるか否か、なるとすれば他の要因と比較してどの程度のリスクか、またいかなる発生機序によるのかなど、疑問が山積している。これらを明らかにするためには、被験者を長期間追跡調査する前向き研究が必須である。本研究は65歳以上の高齢者を対象に、数年おきに脳MRI検査を実施し、口腔内因子と脳MRIのデータベースを構築することにより、口腔内状況と脳の病態との関連を検討することを目的に行うものである。 これまで、脳MRI検査による画像から得られた大脳虚血性病変に関するFazekasスコアと口腔内状況との関連について、上顎歯数および上下顎合計歯数と一部の病変のFazekasスコアとの間に、有意(p<0.05)な負の相関が認められていることから、今回は、歯数については上顎前歯と臼歯、下顎前歯と臼歯に細分し、さらに、アイヒナーの分類にしたがって臼歯部の咬合支持域数をデータベースに追加して分析を行った。Fazekasスコアは、脳室周囲病変(PVH)、深部皮質下白質病変(DWMH)などのスコアの合計値を用いた。その結果、上顎前歯数、上顎臼歯数、咬合支持域数とFazekasスコア合計値との間に有意(p<0.05)な負の相関が認められ、とりわけ、上顎前歯とFazekasスコア合計値との相関が最も強かった。
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