2010 Fiscal Year Annual Research Report
咬合感覚異常症診断に向けての歯根膜感覚閾値検査の確立
Project/Area Number |
21390515
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
皆木 省吾 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80190693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 哲也 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (60238160)
西川 悟郎 岡山大学, 岡山大学病院, 講師 (00172635)
沖 和広 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00346454)
見玉 直紀 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70534519)
州脇 道弘 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (30549829)
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Keywords | 歯根膜感覚 / 顎関節症 / 咬合感覚異常症 |
Research Abstract |
咬合接触関係に明瞭な異常がみられないにもかかわらず咬合異常を訴える咬合感覚異常症は、今後その原因・診断・治療についての介入を行う必要性の高い疾患であると考えられる。これまで、咬合感覚異常症患者、顎関節症患者ならびにブラキシストにおける咬合感覚の変化については臨床経験から示唆されていたが、歯根膜感覚閾値の再現性のある計測方法がないために、これまで正確な評価を行うことができなかった。本研究は、我々が開発した小型軽量かつ再現性を有するアクチュエータをさらに改良し、今後臨床検査として確立するために必要とされる歯根膜感覚閾値データを収集することを目的としている。 本年度は健康成人60名を対象としたブラキシズムスクリーニングならびに顎機能診査を実施した。被験者に対しては本学倫理委員会で承認を受けたインフォームドコンセントを行い,さらにスクリーニングのためのブラキシズム記録が不完全であったものを除外した結果,対象は32名となった。各被験者は歯根膜感覚閾値測定前夜に夜間筋電図を採得し,睡眠中の咬筋筋活動時間を計測した。歯根膜感覚閾値の計測に際しては,計測時の環境因子のコントロールのために、ヘッドホーンを装着しノイズ音によって機能的なシールドを行うとともに、アイマスクを装着した。 これらの被験者における夜間睡眠中の咬筋筋活動記録における20%MVC以上の総筋活動持続時間は20.6秒~885.4秒(平均249.1秒)であった。これらのうち,総筋活動時間が3分間未満(平均総筋活動時間:100.3秒)の被験者における上顎大臼歯の撃力に対する平均歯根膜感覚閾値は39.6±13.8mNであった。一方,総筋活動時間が3分間以上(平均総筋活動時間:398.0秒)の被験者における上顎大臼歯の撃力に対する平均歯根膜感覚閾値は33.6±9.1mNであった。
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