2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390518
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
市川 哲雄 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90193432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石丸 直澄 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (60314879)
渡邉 恵 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40380050)
柏原 稔也 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (90274232)
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Keywords | 金属アレルギー / T細胞 / 樹状細胞 / ニッケル |
Research Abstract |
我々が作製した金属アレルギーモデルマウスをいて以下の実験を行った. まず,腹腔と耳介にニッケルを2回投与する方法でマウス耳介にアレルギーを発症させ,耳介腫脹量を測定しアレルギー発症を確認した.次に耳介をホモジナイズしてフローサイトメーターにて皮下に浸潤している細胞分画を細胞表面分子の発現を指標にして解析した.その結果,浸潤細胞の主体はCD3陽性細胞(T細胞),CD11C/MHC class II陽性細胞(樹状細胞)であることが明らかとなった.コントロール群(OVA, チタン投与)と比較して,ニッケル投与耳介皮下に浸潤する樹状細胞数が有意に多いことも確認した. また,耳介皮膚凍結切片を免疫組織科学にて観察したところ,フローサイトメトリーの結果同様にCD3陽性細胞の皮下浸潤が確認された. 次に,マウス皮膚より抽出したランゲルハンス細胞と骨髄より分化した樹状細胞をニッケルで刺激し,サイトカイン産生パターンをELISA法にて解析したところ,IL-12,IFN-γ,IL-10の産生増強が認められ,IL-4産生はみられなかった. 同様にアレルギー発症マウスの所属リンパ節である頸部リンパ節を摘出し,フローサイトメーターで細胞分画を解析したが,コントロー群と比較して有意な差は認められなかった.しかし,PCRで皮下浸潤細胞におけるサイトカイン発現を解析したところ,ニッケル投与24時間後にIL-12の発現増強,また,48時間後にIFN-γ,IL-2の発現増強が認められた. 今回得られた皮膚を介した金属アレルギー発症におけるサイトカイン産生パターンは,現在作成を試みている口腔粘膜を介した金属アレルギーマウスモデルでのサイトカイン産生パターンと比較する重要なデータであり,何らかの差異が見つかれば歯科金属アレルギーの特異性を考慮した診断法,治療法の開発に有用であると考えられる.
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Research Products
(4 results)