2011 Fiscal Year Annual Research Report
チタン・生体双方へのアプローチによるインターフェースの構築・維持に関する研究
Project/Area Number |
21390520
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古谷野 潔 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (50195872)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮎川 保則 九州大学, 大学病院, 講師 (50304697)
荻野 洋一郎 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教 (50380431)
|
Keywords | インターフェース / インプラント / 骨 / 上皮 |
Research Abstract |
補綴をはじめ歯科領域では、治療の多くが「生体組織を除去し、代替物質で修復する」手法によるため、高分子材料や金属などの外来物質と生体との多種多様なインターフェースが存在する。なかでもインプラント-組織インターフェースは、歯科領域では比較的「新しい」インターフェースであり、未解明な事象や、解決すべき問題点が多数存在する。本研究では、口腔インプラントの生体とのインターフェースの結合強化を達成するために、 (1)生体からのアプローチ(組織の分化増殖促進を通してインターフェースを強化) (2)材料からのアプローチ(材料表面の組織親和性向上を通してインターフェースを強化) の双方向のアプローチを行い、よりよい口腔インプラント-生体インターフェース構築のためのデータを得ることを目的とした。今年度は特に、これまでにラットを用いて蓄積したデータに若干の追加を加えつつ、より臨床に近いセッティングでこれまでのデータを再検証することを目的とした。具体的には、チタンのCaCl2をはじめとする二価カチオン水熱処理がチタン表面への細胞接着に有効であると仮定し、解析を行った。その結果、CaCl2水熱処理、MgCl2水熱処理はいずれも歯肉上皮様細胞、線維芽細胞の接着数および接着強度を向上させることが明らかになった。また、両水熱処理チタン上の細胞は接着構造物を強く発現することが、免疫蛍光染色によって確認された。さらに、同処理を施したチタンインプラントをラット口腔内に埋入したところ、インプラントに対する歯肉の付着の強度が向上する傾向が認められた。骨に関しては、同処理を施したチタンをラット脛骨に埋入したところ、骨接着率やインプラントの固定力が向上することが明らかになり、これらの処理が歯肉の上皮および線維芽細胞や骨の接着に対して促進的な効果を有することが示唆された。
|
Research Products
(6 results)