2011 Fiscal Year Annual Research Report
iPS細胞を用いた歯周組織再生療法に関する総合的研究
Project/Area Number |
21390525
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
野口 和行 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90218298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 孝司 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 准教授 (40253900)
迫田 賢二 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (70419654)
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Keywords | 歯学 / 移植・再生医療 / 細胞・組織 / 発生・分化 |
Research Abstract |
本年度は、iPS細胞による歯周組織再生をティッシュエンジニアリングの観点からアプローチし、ティッシュエンジニアリングの三大因子である(1)細胞(幹細胞)、(2)サイトカイン(シグナル分子、増殖因子)、(3)スキャフォールド(足場)について基礎データを蓄積した。まず、(1)細胞についてはiPS細胞を用いるが、iPS細胞をそのまま移植に用いるには奇形種形成等のおそれがあるため、iPS細胞を間葉系幹細胞へ分化させることとした。iPS細胞から分化させた間葉系幹細胞の分化能を確認するために脂肪分化刺激と骨分化刺激を加えた。脂肪分化をOil Red O染色で確認したところ、高効率でOil Red O染色陽性の脂肪細胞分化が確認された。また、骨分化を骨分化のマスター遺伝子であるCbfa1をリアルタイムPCR法で確認したところ、時間依存的(1~10日)にCbfa1の発現が上昇していることが確認された。しかしながら、iPS細胞から分化させた間葉系幹細胞を移植に用いるには分化細胞の純度が非常に重要になってくるが、本研究では完全な分化誘導には至らず、iPS細胞由来の高純度間葉系幹細胞を得るためには課題が残ってしまった。次に、(2)サイトカインと(3)スキャフォールドについては、イヌ歯槽骨欠損モデルを用いて、現在日本で臨床治験が進められているbFGFと、既に臨床応用されているエナメルマトリックス蛋白をβ-TCPを足場材とした歯周組織再生について組織学的に検討を行った。その結果、bFGFとエナメルマトリックス蛋白、そしてβ-TCPを併用することによりセメント質形成を伴った良好な歯周組織再生を得ることができた。
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