2009 Fiscal Year Annual Research Report
Lin7C-CASK-βcateninネットワーク制御による癌転移・浸潤抑制法
Project/Area Number |
21390531
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
坂本 洋右 Chiba University, 医学部附属病院, 助教 (50451745)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹沢 秀樹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50236775)
|
Keywords | トランスレーショナルリサーチ / 癌転移抑制法 / 癌浸潤抑制法 / Lin7C / β-catenin |
Research Abstract |
本研究は、細胞接着因子であるβcateninの発現量を増強させ、癌の浸潤転移を抑制するために、Lin7C-CASK-βcateninネットワークを制御する可能性のある候補遺伝子と候補薬物を検索し、臨床的に応用可能な固形癌の転移と浸潤の抑制法を開発することを目的とする。 まず、Lin7C-CASK-βcateninネットワークのβcateninの発現量に対する制御力を評価するため、発現ベクターによるLin7C遺伝子導入強制発現による形質転換細胞を作成した。すなわち、Lin7C遺伝子,CASK遣伝子,βcatenin遺伝子の発現量を測定した6種類の口腔扁平上皮癌由来細胞株の中から、最もこれらの遺伝子の発現が弱い細胞株を選び、この口腔扁平上皮癌細胞株にヒトLin-7Cの全長cDNAを搭載した発現ベクター(pME18SFL3)を導入した。この系でLin7C遺伝子を強制発現させて、CASK遺伝子とβcatenin遺伝子の発現量をLightCycler FastStart DNA Master SYBR Green kit(Roche)を使用し、Real-time PCR法により測定した。その結果、Lin-7Cとネットワークを形成する各遺伝子は、Lin-7C導入細胞においてLin-7C遺伝子発現と連動したmRNA発現動態を示すことを確認した。この結果はwestern blottingによりタンパクレベルでも確認した。さらに、Lin7C-CASK-βcateninネットワークを制御する可能性のある遺伝子をマイクロアレイ検索、パスウエイ解析、RT-PCR法により検索し、4種類の候補遺伝子を同定した。現在、これらの遺伝子のうち、最も効果的な遺伝子を検索するとともに、Lin7C遺伝子とこれらの候補遺伝子の発現を制御する低分子化合物を同定中である。
|