2009 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性物質を用いた硬組織再生のトランスレーションリサーチ
Project/Area Number |
21390533
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
別所 和久 京都大学, 医学研究科, 教授 (90229138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 康則 京都大学, 医学研究科, 講師 (50378618)
園部 純也 京都大学, 医学研究科, 助教 (50464219)
藤村 和磨 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30252399)
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Keywords | 軟骨形成 / アドレノメデュリン / C型ナトリウム利尿ペプチド / 骨形成 |
Research Abstract |
I、アドレノメデュリンおよびC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)の骨誘導促進作用に対する検討 C2C12(筋芽細胞)にBMP-2発現ベクターで遺伝子導入を行い、アドレノメデュリンおよびCNPを低濃度、中濃度、高濃度の3群に分け投与したところ、両者とも非投与群と比較してアルカリフォスファターゼ活性およびオステオカルシン濃度の有意な上昇は認めなかった。また、rhBMP-2を5μgと担体としてアテロペプチドタイプIコラーゲン3mgとを混合し、ラットの筋肉内に埋入し、そのラットに対しアドレノメデュリンおよびGNPを全身投与した。埋入3週後に摘出し、軟X線撮影、重量測定の後、アルカリホスファターゼ活性、Ca含有量を測定、組織学的検討を行った。アドレノメデュリンおよびCNP添加群ともに非投与群と比較してアルカリフォスファターゼ活性およびCa含有量の有意な上昇は認めなかった。また、組織学的検討、エックス線所見においてもコントロール群と比較して骨形成量に差を認めなかった。 II、アドレノメデュリンおよびCNP遺伝子操作マウス(トランスジェニックマウス、ノックアウトマウス)を用いた検討 アドレノメデュリンを過剰発現させたマウスは野生型マウスと比較して明らかな骨密度の差は認めなかった。しかし、マイクロCT解析でアドレノメデュリンを過剰発現させたマウスは骨梁の数、幅、連続性が高い傾向を示した。また、血清中の骨吸収マーカーもアドレノメデュリンを過剰発現させたマウスは有意に低い結果を示した。 CNPノックアウトマウスは生後1週齢で体長の短縮を認めた。四肢、長管骨の短縮が認められ、頭蓋骨の前後径は野生型の50-80%程度であった。下顎骨の組織学的所見について、ノックアウトマウスでは増殖軟骨細胞層、前肥大軟骨細胞層および肥大軟骨細胞層の短縮が認められた。一方、CNPを過剰発現させたマウスでは成長板軟骨の基質産生能が増加している所見を認めた。
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