2009 Fiscal Year Annual Research Report
摂食促進ペプチド活性が脳幹内咀嚼リズム形成機序に及ぼす影響
Project/Area Number |
21390535
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古郷 幹彦 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 教授 (20205371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 晋 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (00367541)
榎本 明史 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 招聘教員 (70432549)
辻 忠孝 大阪大学, 大学院・歯学研究科, リサーチアシスタント (50527231)
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Keywords | 摂食行動 / 顎運動 / 脳幹 / オレキシン |
Research Abstract |
脳内オレキシン活性レベルを上昇させた際の摂食行動特性への影響 研究方法:雄性成獣ラット(280-300g, n=10)を用いて,左側側脳室に薬物注入用のガイドカニューレ,左側咬筋・顎二腹筋前腹に双極誘導電極を留置した。術後10日の回復期間を経て,OX-A(3nmol)あるいはControlとして生理食塩水を脳室内投与した。薬物投与4時間後までの摂食量を測定し,ビデオ撮影による行動解析実験ならびに咀嚼筋からの筋活動記録実験を行い,二条件間で比較検討した。 研究結果:薬液注入後の累積摂食量は二条件間で有意な差を認めた(4時間後Control : 2.5g, OX-A投与条件下:6.6g)。摂食開始までの時間はOX-A投与条件下で有意に短縮し(Control : 110min, OX-A : 16min),摂食率も増大した(Control : 5.9mg/s, OX-A : 8.1mg/s)。また,一定飼料量(2gペレット)の咀嚼回数は,OX-A投与条件下で有意に減少した(Control:1278回,OX-A:965回)。また, 咬筋からの筋活動記録においてControl条件下では, 咀嚼準備期および粉砕期に相当する規則的な交替性の筋活動が観察されたが,OX-A投与条件下では咀嚼準備期と粉砕期に相当する筋活動の規則的な交替性が一部消失する傾向がみられた。さらに,OX-A投与条件下において咀嚼準備期では筋活動の最大振幅値の増大(Control : 51.1mV, OX-A : 72.9mV),バースト間インターバルの短縮(Control : 13.4msec, OX-A : 11.6msec),バースト発生頻度の増加傾向(Control : 4.5Hz, OX-A : 4.9Hz)が観察された。一方,粉砕期においては,最大振幅値の増大(Control : 96.2mV, OX-A : 136.1mV)に加え,バースト持続時間の延長(Control : 5.7msec, OX-A : 7.1msec),バースト発生頻度の有意な減少傾向(Control : 6.6Hz, OX-A : 6.1Hz)が認められた。さらに咀嚼準備期における二条件間のバースト間インターバルの減少率はバースト発生頻度の増加率と相関関係を示した。粉砕期でのバースト持続時間の増加率はバースト発生頻度の減少率と強い相関関係を示した。
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Research Products
(1 results)