2012 Fiscal Year Annual Research Report
摂食促進ペプチド活性が脳幹内咀嚼リズム形成機序に及ぼす影響
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21390535
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古郷 幹彦 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20205371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 晋 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 招聘教員 (00367541)
辻 忠孝 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (50527231)
榎本 明史 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 招聘教員 (70432549)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | オレキシン / 咀嚼筋活動 / 三叉神経運動核 / 三叉神経中脳路核 |
Research Abstract |
摂食促進ペプチドであるオレキシン(Ox)は、視床下部外側野およびその周辺に存在するニューロンより産生され、脳幹を含む中枢神経系の広範囲に投射することが明らかとなっている。初年度には、Oxの脳室内投与により摂食量の増大だけではなく、咀嚼筋活動特性を変化させ、摂食行動を促進させることが明らかとなった。さらに、咀嚼筋活動発現に関わる三叉神経運動ニューロン(TMN)においては膜特性を変化させ、興奮性を増大させることが明らかとなった。最終年度には、口腔末梢感覚受容器からの求心性情報を統合し、運動ニューロンの活動修飾に関わっている三叉神経中脳路核ニューロン(MTN)に対するOxの神経修飾作用について電気生理学的手法を用いて検討を行った。MTNでは、Ox投与により膜の脱分極変化と内向き電流が誘発されて、定常状態におけるニューロンの興奮性は増大することが明らかとなった。また内向き電流の形成にはNa+, Ca2+が荷電担体として作用していることが推察された。Oxによる膜興奮性の増大は、活動電位におけるAHP振幅の軽度増大と持続時間の有意な短縮を引き起こし、連続発火活動においてはスパイク周波数が上昇することが明らかとなった。スパイク周波数は細胞外高Ca2+条件下では低下し、4-AP投与条件下においてもOxによる周波数上昇が観察されたことから、スパイク周波数の上昇にはAHPコンダクタンスは直接関与しておらず、周波数の変化は細胞内に流入するCa2+によるAHPの振幅増大変化と内向き電流形成による効果が相互に作用した結果として起こっている可能性が示唆された。OxによるMTNの神経修飾効果は、脳内Oxレベルが上昇した際にTMNからの運動出力を興奮性に調節し、摂食促進作用に関わっていると推察された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)