2009 Fiscal Year Annual Research Report
間質細胞が産生するがん浸潤・転移を制御する分子群の探索とその診断・治療への応用
Project/Area Number |
21390538
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
林堂 安貴 Hiroshima University, 病院, 講師 (70243251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 哲治 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00169153)
新谷 智章 広島大学, 病院, 助教 (90403518)
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Keywords | 口腔癌 / 浸潤・転移 / 間質細胞 / 細胞遊走 / 蛋白分解活性 / 細胞接着因子 |
Research Abstract |
がんの浸潤・転移は,がん細胞自身の特性によってのみ制御されているのではなく,周囲の間質成分をはじめとする宿主との相互作用によっても影響を受けていると考えられている. 本研究では,生体での口腔癌の浸潤転移機構を明らかにするため,口腔扁平上皮癌細胞の浸潤増殖に与える間質の線維芽細胞の影響について解析を行い,線維芽細胞が扁平上皮癌細胞の細胞遊走能を強く亢進させることを見いだした.さらに線維芽細胞が扁平上皮癌細胞のマトリックスメタロプロテアーゼ2(MMP-2)活性化能,特に膜型マトリックスメタロプロテアーゼ(MT1-MMP)発現を亢進させることや活性化されたMMP-2が細胞膜上のαVインテグリンを介して癌細胞に結合し,癌周囲の基底膜成分を分解している所見を見いだした.線維芽細胞培養上清より口腔癌細胞の遊走を促進する因子の分離を試み,熱及び還元に比較的安定な既知の細胞遊走促進因子とは異なる約50kDaの蛋白を分離した.この蛋白の細胞遊走促進活性の発現には,チロシンキナーゼが関与していると考えているが,百日咳毒素によってもその居性が阻害された.現在までのところ,FDMFはGi蛋白共役受容体を介しチロシンキナーゼを活性化し細胞骨格系を制御して細胞の運動能を亢進させていると推測している.
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Research Products
(2 results)