2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規歯周組織再生治療法開発につながる培養骨膜と基材に関する基礎的研究
Project/Area Number |
21390554
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
奥田 一博 Niigata University, 医歯学系, 准教授 (00169228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川瀬 知之 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90191999)
小神 浩幸 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10463978)
永田 昌毅 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (10242439)
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Keywords | 培養骨膜シート / 骨膜細胞 / ハイドロキシアパタイト / アルカリホスファターゼ / 石灰化 / ポリ乳酸カプロラクトン重合体 / cambium layer / 幹細胞 |
Research Abstract |
ヒト培養骨膜シートは足場を必要としなくとも歯周再生治療に於ける歯槽骨の再生に有効に作用した。次に骨膜細胞が含まれた三次元代用骨の確立を目指して、(1)85%の気孔率を有するハイドロキシアパタイト(HA)ブロックの"足場"としての効果を検討した。骨膜細胞は酸処理されたブロック体気孔の深部に侵入することができ、2週間以上生存した。分化誘導を加えた"骨膜細胞+HAブロック"体をマウス皮下に移植すると類骨を形成した。これよりこの複合体は骨原性を促進することが示され、従来のHA単体より優れた再生材料となることが示された。次に培養日数の短縮と移植操作性の向上を目的として、(2)ポリ乳酸カプロラクトン重合体(LCL)製の透明フィルムを試作し、ヒト培養骨膜シートに対する適性を検証した。コラーゲン塗抹により弱い細胞接着性が解決され、骨膜片からの初期細胞遊走と石灰化がサポートされた。4週間培養した骨膜をマウスに移植すると、2-8週間で骨膜シート単体のものと同等以上の類骨形成を認めた。基材の吸収過程で新生石灰物が吸収されることは無かった。培養骨膜シートの骨形成能を犠牲にすることなく、培養期間の短縮化と移植時の操作性向上を可能にした。LCLフィルムはヒト培養骨膜シート移植による歯周再生治療において、有望な基材となる可能性があることが示された。一方、骨膜片採取から移植治療用培養骨膜シート形成に至る過程での細胞動態を分析することで(3)骨膜シートの骨原性獲得メカニズムの解明を試みた。培養早期過程でcambium layerに含まれる多くの細胞はアポトーシスにより失われた。培養5-6日目を境にfibrous layerに増殖活性の高い細胞が出現し、これらを骨芽細胞に分化誘導するとアルカリホスファターゼ活性の上昇とともに石灰化も顕著に促進された。cambium layerは培養中に細胞の大幅な淘汰に伴ってその形態は失われるが,生き残った幹細胞様の細胞が増殖し分化誘導刺激により骨形成活性を発現する可能性が示唆された。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
奥田一博
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Journal Title
日常臨床における再生療法のテクニックと長期経過(株式会社ヒョーロン・パブリッシャーズ)
Pages: 164-169
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[Journal Article]2009
Author(s)
奥田一博
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Journal Title
遺伝子医学MOOK13患者までとどいている再生誘導治療-バイオマテリアル、生体シグナル因子、細胞を利用した患者のための再生医療の実際-(株式会社メディカルドゥ)
Pages: 225-229
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