2009 Fiscal Year Annual Research Report
レギュラトリー細胞が歯周組織破壊に及ぼす影響-敵か味方か-
Project/Area Number |
21390555
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中島 貴子 Niigata University, 医歯学総合病院, 講師 (40303143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 和久 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00182478)
多部田 康一 新潟大学, 超域研究機構, 准教授 (20401763)
伊藤 晴江 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30397145)
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Keywords | 歯周炎 / マウス / レギュラトリー細胞 / NKT細胞 |
Research Abstract |
歯周炎の感染免疫におけるレギュラトリーT細胞やNKT細胞などの抑制系細胞の役割を明らかにするために、先に確立した歯周病原細菌Porphyromonas gingivalisの口腔感染マウスモデル実験を、NKT細胞が存在しないCD1d欠損マウス(C57BL/6バックグラウンド)に応用した。コントロールのC57BL/6マウスでは著名な歯槽骨吸収が認められるのに対して、CD1d欠損マウスでは有意に軽度な骨吸収にとどまった。血清中のCRPはコントロールと同程度に上昇し、IL-6レベルはコントロールよりも高かった。全身の炎症レベルがコントロールよりも若干高くなっていることが示された。血清中の抗P.gingivalis抗体価は総IgG,IgG2a,IgG2b,総IgMともにコントロールと同程度の上昇を示した。脾細胞をP.gingivalis抗原で再刺激したさいの抗P.gingivalis抗体産生もコントロールと同程度の上昇であった。さらにこのP.gingivalis刺激脾細胞のサイトカイン産生を調べたところ、IL-4,IL-6の産生はコントロールマウスと同程度であったが、IFN-γの産生がCD1d欠損マウスでは著しく低下していた。 NKT細胞は感染に対して大量のIFN-γとIL-4を早期に産生することが知られているが、抗原の種類や感染経路によってそのサイトカイン産生のパターンが異なる。今年度の結果から、NKT細胞は、歯周炎の歯槽骨吸収を抑制する方向ではなく増悪する方向に働いていること、それはIL-4-抗体産生系ではなく、IFN-γ産生系を介していることが明らかになった。 またこのマウスモデルの歯周組織破壊について、川本法にて未固定非脱灰凍結切片を作成し組織染色を行い解析した結果、歯槽骨吸収を認めても炎症性細胞浸潤の程度は比較的軽度だった。
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Research Products
(3 results)