2011 Fiscal Year Annual Research Report
レギュラトリー細胞が歯周組織破壊に及ぼす影響-敵か味方か-
Project/Area Number |
21390555
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中島 貴子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (40303143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 和久 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00182478)
多部田 康一 新潟大学, 超域学術院, 准教授 (20401763)
伊藤 晴江 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30397145)
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Keywords | 歯周炎 / マウス / Porphyromonas gingivalis / NKT細胞 |
Research Abstract |
当初の目的は(1)マウス歯周炎モデルにおけるNKT細胞活性化を介した歯槽骨吸収メカニズムの解明と(2)ヒト歯肉組織でのNKT細胞とレギュラトリーB細胞の関係性の解明であったが、(1)に重点をおいた研究遂行となった。 平成22年度までに用いてきたαガラクトシルセラミド(α-GalCer)腹腔投与+Porphyromonas gingivalis口腔感染のNKT細胞活性化マウス歯周炎モデルの追解析として、骨吸収促進関連分子の発現を調べたところ、非感染群に比較して血清中の破骨細胞分化誘導因子であるRANKLレベルが有意に上昇していた。 平成21-22年度に取り組んだが結論が得られなかったマウス歯周炎モデルの歯肉局所での免疫・炎症応答解明に再度取り組み、マウス上顎歯肉からmRNAを抽出し、炎症性および骨吸収関連サイトカインの解析を行った。αGalCer+P.gingivalis口腔感染マウスの歯肉組織ではP.gingivalis感染マウスや非感染マウスに比較して炎症性サイトカインの産生増強は認められないものの、IL-17については増加傾向を認めた。NKT細胞が活性化された状況下では骨吸収促進のサイトカインバランスが誘導されることが明らかとなった。 P.gingivalis感染に対するNKT細胞自体からのサイトカイン産生をin vivo明らかにするために、P.gingivalisをマウス腹腔から感染させ、肝臓のNKT細胞のサイトカイン産生をフローサイトメトリー解析した。1回感染後にはαGalCer群、P.gingivalis感染群、αGalCer+P.gingivalis感染群ともにIFN-γ産生NKT細胞がIL-4産生NKT細胞の比率を上回った。一方複数回感染後には、P.gingivalis感染群、αGalCer+P.gingivalis感染群でIL-4産生NKT細胞の比率がIFN-γ産生NKT細胞の比率と同等または上回る結果となり、P.gingivalis慢性感染に対してNKT細胞は免疫応答をTh2ヘシフトさせるようなサイトカイン産生をすることが明らかとなり、NKT細胞活性化P.gingivalis口腔感染モデルにおける血清中の抗P.gingivalis抗体産生増強や抽出脾細胞をin vitroで再刺激した実験からのTh2優位状況が歯槽骨吸収促進に働いているという結果を裏付けるものとなった。
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Research Products
(9 results)