Research Abstract |
急性期病院における医療の質安全を保証する上で,看護のふるまいと力量は大きく影響する.現時点では,このようなふるまいや力量は,経験知にもとづいているため,エキスパートナースの経験知を暗黙知から可視化された状態にし,知識の共有化を図ることが必要である.ナースは医行為とケア行為の両者を行うが,それらは当該患者の状態に適応させたタイミングで実施している. 本研究では,臨床における看護知識のコアコンテンツ(臨床看護の知識要素)特定・臨床看護の動態をよりよく表現する構造特定・電子コンテンツの事例整備(看護を含む標準医療計画の作成)を行い,電子コンテンツ事例を実際のケースに適用あるいはシミュレーションを行い,標準計画・個別計画・実施計画・実施・実施後観察という臨床のプロセスの中で,どのように看護の経験知が組み込まれ,医療の質安全保証にどのように貢献しているのかを,「臨床における看護知識の構造化」という手段であきらかにする.これらの作業を通して抽出された経験知を構造化し,知識を再利用するための「医療の質安全保証に必要とする,臨床における看護知識の生産と管理を支援するシステム」の設計を行う. H23年度は,「PCAPS外科系手術コンテンツ」,「PCAPS内科系コンテンツ」,「PCAPS周産期コンテンツ」,「PCAPS訪問看護コンテンツ」の素材から看護の臨床知識を抽出し,以下に示す領域のコンテンツとして,看護知識を組み込み,当該コンテンツの効果・効用を,研究チーム側と臨床ユーザ側の双方から検討した.協力候補先は,九州・近畿・東京の病院と訪問看護ステーションである.フィンランドとシンガポールにおける看護関係者からの評価も受けた.また,知識を再利用するための「医療の質安全保証に必要とする,臨床における看護知識の生産と管理を支援するシステム」の設計を行い,書籍を発行した. 1,がんの手術を受ける患者状態 2.がん以外の手術を受ける患者状態 3.疾患別の患者状態 4.症状別の患者状態 5.周産期の母体と新生児 6.在宅患者
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