2009 Fiscal Year Annual Research Report
病棟の安全文化醸造に向けたKYT介入実践研究パラダイムの複合的展開
Project/Area Number |
21390567
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
兵藤 好美 Okayama University, 大学院・保健学研究科, 准教授 (90151555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 共子 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 教授 (40227153)
深井 喜代子 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (70104809)
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Keywords | KYT(危険予知訓練) / 医療事故 / 安全文化の醸成 / 医療安全文化尺度 / KJ法 / 医療安全に関する意臓と行動に関する尺度 / KYT教材作成 / 安全管理総合評価 |
Research Abstract |
KYTの実践が個人や組織に与える影響について明らかになっていない。そこで本年度は、KYTの実施の有無によって組織の安全文化の差異があるかどうかを明らかにすることを目的に、質・量両方の観点から分析を行った。 まず、KYTを導入しているA病院の看護師120名に、KYT導入でどのような変化が起こったかを尋ねた(回収率:97%)。その結果、KYT実践による変化として認識されたことは、以下の4点であった。1.自分自身の変化:[確認方法の変化]、[自分自身の行動の分析]、[潜在ミスを意識]。2.患者への変化:[他のスタッフと一緒に確認]、[危険予知能力がアップ]、[説明行動の変化]、[自己紹介の実施]。3.同僚や上司への変化:[コミュニケーション量が増加]、[相談や依頼への抵抗減少]、[サポート行動の実施]、[わかるように説明]、[自分の所在を知らせる]。4.組織の変化:[助け合う雰囲気]、[確認方法が丁寧になった]、[全員の行動把握][他のスタッフの行動にも責任を持つ]、[危険予知能力向上]、[マニュアル改善]、[情報共有]。 次に、質的研究のデータを元に質問紙(KYT実施経験の有無と医療安全文化尺度一部引用及び医療安全に関する意識と行動に関する尺度)を作成し、A県内の病院に勤務する看護師1009名に調査を行った(回収率61.9%)。KYT実施の有無による医療安全文化(1.安全意識、2.シフト交替、3.協力体制、4.ミスへの反応、5.人員配置)の差異についてT検定を行った結果、KYT実施群は未実施群に較べて、安全意識と協力体制及び患者に対する安全管理総合評価について有意に高い値を示した。また医療安全に関する意識と行動についても、チームコミュニケーションや確認行動、主体的な報告説明等に、有意な差が認められた。 丁度執筆依頼もあったので、学生向けKYT教材作成を行った(雑誌論文参照)。
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Research Products
(14 results)