2010 Fiscal Year Annual Research Report
看護学士号をもつ新人看護師に求められる臨床実践能力開発のための学習モデルの研究
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21390574
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
松谷 美和子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (60103587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平林 優子 聖路加看護大学, 看護学部, 准教授 (50228813)
佐居 由美 聖路加看護大学, 看護学部, 准教授 (10297070)
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Keywords | (臨床)看護実践能力 / 看護コンピテンシー / 新卒看護師 / 看護学士課程 |
Research Abstract |
平成22年度は、看護学士号をもつ看護師が臨床で求められる臨床看護実践能力とは何かを多方面のデータをもとに構造化することを目的とし、文献の検討、国内外の専門家へコンサルテーションおよび臨床看護師へのインタビュー調査を実施した。 1) 30件の文献を検討し、看護実践能力の定義、属性、要素とその構造および育成方法について分析、整理統合した。その結果、看護実践能力とは、知識や技術を特定の状況や背景の中に統合して倫理的で効果的な看護を行うための主要な能力を含む特質であり、複雑な活動で構成される全体的統合的概念であると定義づけられ、知識の適用力・人間関係をつくる力から成る人々・状況を理解する力、看護ケア力・倫理的実践力・専門職者連携力から成る人々中心のケアを実践する力、専門職能開発力・質の保証実行力から成る看護の質を改善する力の3つの主要能力構造として図式化することができた。 2) 英国キングスカレッジおよびオックスフォードブルックス大学におけるコンサルテーションにより、英国の看護師教育課程が2010年度以降すべて高等教育機関で行われること、看護師の実践能力の育成のために大学においては状況設定型の演習プログラムを工夫していること、基礎教育課程における領域別教育見直しの議論が盛んであることなどの知見を得た。 3) 看護学士号をもつ新卒看護師の視座からの臨床看護実践能力を探究するために、看護学士号をもつ新卒看護師、入職2年目の看護師、これらを指導する先輩看護師を対象としたインタビュー調査を実施した。新卒看護師の分析により、必要な7つの臨床看護実践能力を抽出した:(1)人間関係を築いていく力;(2)基盤となる知識力;(3)看護技術力;(4)看護業務遂行能力;(5)セルフマネジメント力;(6)自己研鎖力;(7)看護へのコミットメント力。(4)(5)は文献検討にはなかった新卒看護師に必要な能力であった。
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Research Products
(4 results)