2009 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者の適応行動を活性化する術後サポートプログラムの効果に関する縦断的研究
Project/Area Number |
21390577
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水野 道代 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (70287051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 純 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (70259307)
大石 ふみ子 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 特任教授 (10276876)
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Keywords | 手術 / がん患者 / 適応 / サポートプログラム / 継続ケア / QOL |
Research Abstract |
1.実施概要 術後がん患者の自発的な適応行動を活性化することを目指したサポートプログラムの効果を検討するために、H21年度は、研究チームを編成し、予備研究を実施した。6調査施設の研究協力を得られることになった。術後がん患者が体験する出来事について記載した患者用小冊子を退院時に配付した後に、質問紙調査(退院後1週間と術後6ヵ月の2段階調査)を郵送法で実施した。調査は11月から倫理審査委員会の承認が得られた施設から順次開始した。 2.結果 3月末の段階で64部の調査票(各調査施設には計225部を分配している)が回収された。回答者の平均年齢は64.02歳、手術から回答までの期間は24.18日で、64%が男性、47%が有職者であった。回答者が罹患したがんの種類は胃癌:42%、大腸がん:49%、その他のがん:9%であった。回答者のうち84%が小冊子を読んだと回答した。小冊子の内容に対して「何となくそうだと思った」という回答を選択した読者は46%で、「確かにそうだと思った」は39%、「自分でも何とかしたいと思った」は13%であった。「自分には当てはまらない」を選択した回答者も1名おり、この患者は既往歴に肝硬変があった。尺度を用いて(1)QOL、(2)不安、(3)ソーシャルサポート、(4)負担感(問題解決能力)、(5)ストレス耐性、(6)疲労についても測定しており、QOLや負担感については、当該調査と同様の状況にある患者を対象とした調査と同程度の値が得られた。3月末時点での集計結果からうかがえることは、ソーシャルサポートやストレス耐性に関する尺度からは、一般人を対象とした調査結果との明らかな平均値差が傾向としても認められないこと、不安と疲労については得点の個人差が大きいことであった。 今回のデータは、継続中の調査の中間集計結果として提供したものである。今後、縦断的調査結果も加えて、各変数の値やその変化を把握しながら、患者の適応に与える小冊子の機能について検討いていく予定である。
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Research Products
(1 results)