2012 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者の適応行動を活性化する術後サポートプログラムの効果に関する縦断的研究
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21390577
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| Research Institution | University of Tsukuba |
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Principal Investigator |
水野 道代 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70287051)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 純 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (70259307)
大石 ふみ子 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (10276876)
佐藤 正美 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (60279833)
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| Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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| Keywords | がん患者 / QOL / 適応 / 手術 / サポートプログラム |
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| Research Abstract |
本研究の目的は、手術を受けたがん患者の適応行動を活性化させることを目的とするサポートプログラムの効果を縦断的研究デザインに沿って検証することにある。
H24年度は、手術適応のある難治性がん患者（膵臓がん、卵巣がん）を対象に、プログラムに沿った援助介入の提供を2施設において開始した。年度中に膵臓がん1名、卵巣がん3名に援助介入を実施し、援助開始時と開始後3ヶ月の時点で効果判定のために、QOLと回復力、不安、抑うつ、疲労感、認知的苦悩、負担感について尺度を用いた調査を実施した。介入調査は現在も継続中である。
一方、退院後1週間以内の術後がん患者42名を対象に、心理的ストレス反応、病気に関連する負担、ストレス-対処方法につてアンケート調査を実施し、術後がん患者の適応課題を、がんという病気に関連したストレスからだけでなく、生活上のストレスからもとらえることの重要性を確認した。対象者は、腎・泌尿器がん（24％）、乳がん（28％）、消化器がん（29％）、甲状腺がん（19％）を含み、平均年齢は58.49（SD=14.56）歳、手術から退院までの平均日数は6.92（SD=3.68）日であった。心理的ストレス反応は、尺度が持つ評価基準値に当てはめると、標準よりもやや低い値であった。最近体験したストレスフルな出来事（強い緊張を感じる状況）として、9名（21.4％）の患者は今回の病気体験以外の出来事をあげ、1名はそのような状況に出会っていないと答えた。がんの種類および性別、年齢は、ストレス‐対処に関する変数との間に統計的に有意な関連や関係を示さなかった。一方、既往症と継続治療、術後の身体機能障害の有無は、心理的ストレス反応および一部の対処型得点に関連していた。なお、病気に関連した負担感は、心理的ストレス反応と中程度の相関関係を示したのみで、その他の関連する要因は明らかにならなかった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究のデザインを再検討し、介入群と非介入群の2群間比較ではなく、介入群のみを対象にプログラムの安全性や適用可能性を検討する研究デザインに修正したため、H24年度からプログラムを用いた援助介入を開始でき、再検討後の研究計画はおおむね順調に進展しているといえる。
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| Strategy for Future Research Activity |
当該プログラムの安全性や適用可能性の評価について、測定尺度による患者の適応状況とその変化の縦断的評価は継続して実施するが、評価方法の比重を、介入援助の各セッションにおいて得られる患者の反応に対する質的評価にシフトさせる予定である。各セッションの対話内容及びワークブックへの記載内容に基づいた、介入の効果に対する質的評価は、①援助方法と②プログラムで扱う適応課題の適正、③患者用ワークブックの適正の３つの視点で行うが、今後は、これまでの介入で得られた情報および退院後の術後がん患者を対象とする負担感の調査結果に基づき、次の内容についても質的分析を行うことにする。術後がん患者の適応を促すために、がんという病気に関するストレスの他に生活ストレスへの働きかけが非常に重要となるという視点から、本研究で扱っている14の適応課題の中から、介入の対象者が重要なものとしてあげた課題を取り上げ、患者の言動に基づいて、関連する生活上の問題を構成する事柄と難治性がん患者にとってのそれらの意味を分析する。
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Research Products
(1 results)
