2009 Fiscal Year Annual Research Report
トータルペイントしてのがん疼痛を緩和するセルフケア支援看護モデルの開発と検証
Project/Area Number |
21390582
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒尾 晴惠 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (50326302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 珠実 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50382263)
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Keywords | がん疼痛 / トータルペイン / セルフケア / 緩和ケア |
Research Abstract |
【研究の目的】本研究の目的は、「トータルペインを緩和するセルフケア支援看護モデル」を開発し検証することであるが、初年度は、トータルペインをマネジメントする際のセルフケアのアセスメント指標の明確化のために、がん疼痛のマネジメントの際の患者の疼痛緩和に対するバリアについて明らかにすることを目的とした。 【研究方法】1. 量的研究、2. 対象者:外来通院及び入院してがん疼痛の治療を受けている患者、3. 調査内容:調査内容:基礎データ(年齢、性別、入院の有無)、疼痛治療に関する情報、(治療開始後の期間、薬物療法の内容、疼痛の状態-Visual analog scale (VAS)、疼痛緩和についてのバリアー日本語版Barriers Questioners(近藤ら,2002)、21項目0:全く思わない-5:とても思うまでの6段階で得点化。 【研究結果と考察】130名を有効回答として分析に使用した(56.9%)。1. 協力者の概要:年齢は平均59.6±SD11.1歳、男性75名(58%)、入院71名(55%)、診断後の期間は平均25.8±SD32.1ヶ月、痛み治療開始後の期間は平均6.8±SD8.3ヶ月であった。全員が薬物による疼痛緩和のための治療をうけていたが、そのうちオピオイドを使用しているのは81名(62.3%)で49名(37.1%)は非ステロイド系抗炎症薬を使用していた。2. 痛みの状態は最小0、最大9.6、平均3.9±SD2.7であった。3. 日本語版BQ得点の平均は42.2±SD16.7点、最小0から最大91であった。サブスケールでは、「病気の進行への心配」の得点が最も高く、その他のサブスケールでは、バリアとなる様相はみられなかった。以上から、調査施設ががん診療拠点病院であったことから適切な薬物使用に関してのケアが提供されていたころが考えられた。しかし、サブスケールの結果から痛みのマネジメントにあたっては、知識を提供するだけでなく、患者にとっての痛みが病気の進行を意味していることなど個人の痛みの意味を理解したケアの提供が必要であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)