2011 Fiscal Year Annual Research Report
トータルペイントしてのがん疼痛を緩和するセルフケア支援看護モデルの開発と検証
Project/Area Number |
21390582
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒尾 晴惠 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50326302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 珠実 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50382263)
田墨 恵子 大阪大学, 医学部附属病院, 看護師長 (80572312)
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Keywords | がん疼痛 / 症状マネジメント / セルフケア / 医療用麻薬 |
Research Abstract |
【研究の目的】平成23年度は、癌治療と疼痛緩和を並行している状況に置かれた患者のトータルペインをマネジメントする際のバリアについて明らかにしたうえで患者の疼痛緩和に関するセルフケア支援をする看護モデルを作成することであった。 1.癌治療と疼痛緩和を並行している状況に置かれた患者のトータルペインをマネジメントする際のバリアについて医療用麻薬使用に対するがん患者の認識の変化について、面接調査を行った。対象者は、緩和ケア外来に通院中、または緩和ケア病棟に入院中で、がん疼痛に対して医療用麻薬を使用している患者。医療用麻薬使用前後のがん疼痛の状態、医療用麻薬に対してどのような認識をもっていたかについて半構成的面接を行った。 対象者は男性3名、女性2名の5名であった。がんの部位は様々で4名は突出痛があり、レスキューを使用すると同時に鎮痛補助薬を使用していた。医療用麻薬使用前は「麻薬は激痛に使う」「麻薬はできるだけ使わないほうがよい薬」「効果への不信」「詳しく知ろうと思わない」「精神的な異常を来す」などネガティブな認識が多く語られた。使用後は「痛みが緩和する薬に出会えてうれしい」「痛みの治療に必要不可欠な薬」「薬である以上副作用は仕方ない」とがん疼痛の緩和により、認識が変化していた。しかし、「増量への抵抗」「増量は病気の進行」「寿命の短縮」「末期患者が使う」という認識はバリアとして変わらずに残っていた。 2.患者の疼痛緩和に関するセルフケア支援をする看護モデルの作成 医療用麻薬使用でがん疼痛が緩和しても、その時点で医療用麻薬に対する認識が修正されていないこと、増強する疼痛のため、患者は納得していなくても痛みを軽減するために医療用麻薬の使用をせざるを得ないことから、まず患者の医療用麻薬に対する認識を看護師と共有するセッションをもち、その上で患者の認知に働きかける看護支援モデルを作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に計画していた患者側のバリアの調査ならびにセルフケア支援モデルの作成がほぼ予定通りに進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はトータルペインを緩和するセルフケア支援モデルを完成させ、事例に適応し妥当性を検証する。
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Research Products
(3 results)