2011 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者と家族の主体性を育む都市型病院を核としたケアリングコミュニティの創成
Project/Area Number |
21390584
|
Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
野村 美香 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (80276659)
|
Keywords | 癌 / 看護学 / ケアリング / コミュニティ |
Research Abstract |
平成23年度は、医療者による「プロフェッショナルケアリング」の明確化として、医療施設を中核としたコミュニティへの貢献の可能性について、米国の子ども病院、総合病院に勤務する高度実践看護師を対象とする情報収集を行った。その結果、外来での役割拡大の必要性について示唆を得た。具体的には、看護外来には、患者の年齢を問わず家族が在席し、経過観察期にある患者へのケアが行われると同時に、がん患者の家族に向けたケアが提供されていた。さらに、診察室に訪れる多様な発達段階にある家族成員に対するがんに対する啓発、健康教育というケア実践の場としても機能していた。この結果は、看護師が患者を対象にケアリングを実践する場が、家族のケア、ひいては健康な地域住民への個別的なケアの場となっていることを示唆していた。 「プロフェッショナルケアリング」と当事者をはじめとする人にとの行う相互依存的な「ノンプロフェッショナルケアリング」の概念を含むがんコミュニティのケアリングは、コミュニティにおいて、健康水準と発達段階を軸としたテーマを有し個別の機能をもつとともに、それらを貫く意味として、健康志向で相互依存的なモデルとして構築されることが示唆された。 ケアリングの成果として測定しうる指標については、抽象的な概念としての整理の後、発達段階と健康水準を軸として、範囲を限定して作成し、洗練を加えていく必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究フィールドの施設移転に向けた準備の関係で、フィールド側の研究協力者の負担が増加したことによる。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究機関内にいた研究協力者一名を共同研究者として、研究計画の一部を担うよう役割分担の明確化して研究推進を図ること、研究に伴う事務作業ならびに研究実施の調整については、定期的に雇用しうる人材を確保し、フィールド側への負担を減じることで、当初計画どおりの成果をあげるように対応することとする。
|