2011 Fiscal Year Annual Research Report
乳がん早期発見のための乳房セルフケア促進プログラムの開発と妥当性の検討
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21390587
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
鈴木 久美 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (60226503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 浩子 慶応義塾大学, 看護医療学部, 教授 (60158300)
林 直子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (30327978)
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Keywords | 乳がん / 早期発見 / セルフケア / 啓発教育 |
Research Abstract |
【目的】乳がん検診受診率や早期発見率の向上をめざし、乳がん検診・自己検診に対する行動変容を促すために、成人女性を対象に乳房セルフケア促進プログラムを乳がん体験者と協働のもと実施し、プログラムの有効性と妥当性を評価することを目的とした。【方法】対象は、20歳以上の女性で乳がんの既往がない者とした。プログラムは、女性が乳がん検診・自己検診に対する意義・方法を理解して、乳がんを身近な健康問題ととらえ自己検診の方法を習得できることを目標とし、(1)専門知識をもつ看護師による乳房セルフケアに関する知識の提供、(2)乳がん体験者による講話、(3)乳がん体験者による乳房セルフチェック指導で構成した。1回90分、15人までとし、実技練習を3~5人の小グループで行った。データ収集は、研究者らが作成した乳がん検診・自己検診に関する質問紙を用いて、プログラム参加前と参加後1ヵ月で測定した。尚、参加後6ヵ月と1年のデータは次年度測定予定である。分析は対応のあるt検定を行った。【結果】成人女性37人、平均48.9歳(年齢範囲30~71歳)であり、有職者64.9%、既婚者62.2%であった。乳がんやマンモグラフィ検診、自己検診の認知率は約80%以上と高く、参加前の定期的なマンモグラフィ検診受診者は27%、自己検診実施者は18.9%であった。乳がん検診・自己検診に対する認識は、プログラム参加前に比べ参加後1ヵ月において<乳がんへの罹病性><乳がんへの懸念><マンモグラフィ検査の利益><マンモグラフィ検査の負担><自己検診の利益><自己検診の負担>はやや改善したものの有意差は認められなかった。一方、<自己検診の自己効力感>はかなり改善し有意差が認められ(p<0.001)、自己検診実施者も87.1%まで増加した。プログラムに対して満足した者は83.3%、有用性を認めた者は88.9%であった。この結果から、プログラムの内容は妥当であり、自己検診に対する短期効果が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は研究目的に沿って、成人女性37人を対象に、乳がん体験者と協同して乳がん早期発見のための乳房セルフケアプログラムを実施した。プログラム実施前と実施後1ヵ月のデータ収集が終了している。また、プログラムの内容の妥当性を検討するためのデータ収集も終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の次年度は、平成23年度に実施したプログラムの参加後6ヵ月と1年のデータを収集するとともに、対象数を増やすために、ほぼ同じ乳房セルフケアプログラムを乳がん体験者と協同で実施し、参加前と参加後1ヵ月、6ヵ月のデータを収集する予定である。収集したデータを分析し、セルフケアプログラムの妥当性と有効性を検討する。また、作成した「乳がん早期発見のためのセルフケア」というDVDを成人女性に視聴してもらい、DVDの内容の妥当性を検討する。
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Research Products
(2 results)