2010 Fiscal Year Annual Research Report
口唇口蓋裂児の母乳育児を可能にする哺乳具の開発と授乳支援方法の確立
Project/Area Number |
21390596
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Research Institution | St. Mary's College |
Principal Investigator |
松原 まなみ 聖マリア学院大学, 看護学部, 教授 (80189539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 ひとみ 秋田大学, 教授 (80319996)
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Keywords | 口唇口蓋裂 / 母乳育児 / 哺乳具 / 授乳方法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、口唇口蓋裂児の母乳育児を可能にし、口腔機能の健全な発達を促し、良好な母子関係を築くために、口唇口蓋裂児の新しい哺乳支援具を開発し、授乳支援方法を確立することである。 平成22年度は、本研究の目的である「口唇口蓋裂児の母乳育児を可能にし、授乳支援方法を確立する」ための事前調査として21年度に実施した「口唇裂・口蓋裂治療チームにおける授乳援助に関する実態調査」第34回日本口蓋裂学会(於東京)で発表し、同学会雑誌に投稿、受理された。 さらに、「口蓋裂児の新しい哺乳支援具の開発」に関しては、口蓋裂矯正目的で汎用されている哺乳床(Hotz床)を改良し、画像解析法により評価を行った。改良型と従来型の哺乳床を口蓋裂児に適用、比較した結果、改良型哺乳床の方が授乳しやすく、吸啜時の舌および下顎運動が活発であるという結果が得られた。すなわち、改良型の方が哺乳効率がよく、口腔機能育成にもつながる可能性が示唆された。本結果に関しては第35回日本口蓋裂学会(2011年5月、於新潟)で発表し、同学会雑誌にも投稿予定である。 さらに、「口唇口蓋裂児の母乳育児を成功させ、有効な授乳支援方法を確立する」ために、聖マリア病院および東京歯科大学の2病院にて口唇口蓋裂児をフォローし、追跡事例を集積した。これらの実践報告を『哺乳支援マニュアル』作成に活かす予定である。 先行研究ではほとんど不可能とされている口蓋裂児への直接母乳を成功させるための哺乳支援方法を確立し、直接授乳が困難な場合にあっても搾母乳の瓶哺乳が容易となることは、口唇口蓋裂児を育てる母親の障害受容を促進する。外表奇形を有する先天異常児の出産において、円滑な哺乳、母乳育児の推進が母子関係の確立を容易にし、望ましい養育行動につながる点が本研究の意義である。
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Research Products
(3 results)