2009 Fiscal Year Annual Research Report
協働アクションリサーチによる地域看護活動の評価モデルの開発
Project/Area Number |
21390597
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村嶋 幸代 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60123204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 智子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80323616)
田口 敦子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (70359636)
有本 梓 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (90451765)
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Keywords | 地域看護学 / アクションリサーチ / 保健師 / 地域風土・文化 / 介護予防 / 生活習慣病予防 |
Research Abstract |
本研究では、大学院と地域保健機関との協働により、地域風土・文化に応じた保健師による地域看護活動の評価方法を開発し、その後の新たな看護活動を効果的に行うための方法論を開発することを目的とした。 1)大学院と地域保健機関で協働して、教育・実践・研究を同時に行いながら、地域ニーズに基づく看護活動を評価し、次の改善に向けた行動を提案するための方法論を開発する。 2) 1)で開発した方法の試行と見直しを複数地域で実施することにより、評価モデルを確立し提示する。 今年度は、熟練保健師が率先して開発してきた事業や先駆的に実施してきた地域看護活動として、虚弱高齢者の介護予防と生活習慣病予防を取り上げた。4ヵ所の市町の地域保健機関と協働し、各地で3ヶ所ずつの小地区を選定し、小地区単位でその実行度や現状の評価を試行した。その差異が生じてきた要因を考察すると共に、小地区の特徴に応じた保健活動の展開方法について検討した。 具体的には、保健師・住民・キーパーソン等へのヒアリング、資料の検討、地区踏査、マッピング、対象住民の家庭訪問、事業への参加、質問紙・インタビュー調査を行った。分析の際は、小集団の健康状態のみならず、文化や人々の関心事等を選定し、(1)働きかけてきたプロセス(プロセス変数)、(2)人口構成・文化等の小地域の特徴(構造変数)、(3)事業の定着度人々の実行度、健康問題の改善度等(成果変数)に着目して評価した。質的分析と量的分析を組み合わせて分析し、生活習慣病予防に関しては、検診結果の分析と医療費の経済的分析を行った。各地での報告会と合同報告会を開催し、調査結果は地域保健機関、住民、関係者などに報告した。これらにより、各市町内の小地区毎に、地域の文化・風土に応じた地域の健康課題と事業の浸透度や差異の背景が明らかとなり、地域の文化・風土に応じた保健師による地域看護活動の展開方法と見直しの方向性を提案できた。
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