2012 Fiscal Year Annual Research Report
うつ病者の自殺予防に関する治療的ナラティブアプローチの開発
Project/Area Number |
21390599
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
長谷川 雅美 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (50293808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 一海 金沢大学, 保健学系, 准教授 (50251963)
長田 恭子 金沢大学, 保健学系, 助教 (60345634)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 自殺予防 / 感情調整アプローチ / うつ病 / ナラティブアプローチ |
Research Abstract |
本研究は、うつ病者の自殺予防に関する治療的ナラティブアプローチを開発するための研究であり、オーストラリアの自殺予防研究所の研究員と協同してデータを収集し、分析した。 オーストラリアで20例、日本で20例のデータ収集を目標にしたが、わが国ではうつ病者で自殺念慮の症状がある対象者からの研究参加への同意がなかなか得られず、データ収集が難航し、結局11名にとどまった。これらのデータから自殺念慮が改善されていくプロセスを3期に分けてその特徴を質的に分析した。その結果、セルフコントロールができ、症状を自ら客観視できるようになるサポートが必要なこと、じっくりと時間をかけたナラティブアプローチで感情を自ら調整でき、肯定的な日常を試行しようとする行動化につなげること、社会参加により自信を取り戻すことで自殺念慮が消失することが分かった。しかし、個人差が大きく、回復プロセスの3期に至る面談回数に大きな差が出たことや、自殺念慮が再燃し、なかなか面談終了に至らなかった事例が4例見られた。このようなケースにおける自殺念慮の消失に有効なアプローチの開発が課題となった。 今回の結果から、ナラティブアプローチによる傾聴から感情調整能力を引き出し、積極的に活動化につなげる様に支援することの有効性が検証できた。今後は、更なる効果的なアプローチを実践するため、オーストラリアですでに実践効果が出ている感情調整療法を用いたナラティブアプローチをわが国でも実施したい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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