2010 Fiscal Year Annual Research Report
働く母親のワークライフバランスと母子相互作用の縦断的研究
Project/Area Number |
21390603
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
三國 久美 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (50265097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 たい子 東京医科歯科大学, 保健衛生学研究科, 教授 (10156713)
草薙 美穂 天使大学, 看護学研究科, 講師 (90326554)
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Keywords | ワークライフバランス / 母子相互作用 / 就労女性 |
Research Abstract |
本研究は、働く母親とその子どもを対象とした調査を子どもが6ヶ月から3歳まで縦断的に実施し、働く母親のワークライフバランスと母子相互作用、子どもの発達との関連について明らかにすることを目的としている。今年度は、A市内の保育所に0~1歳児を預けて働く母親241人に質問紙調査を実施し、働く母親のワークライフバランスに関連する要因を検討した。質問項目は、母親と子どもの属性、就労状況、保育状況、仕事・育児・職場や家族に対する認識、ワークライフバランス得点である。有効回答が得られた174人のデータを統計的に分析した結果、ワークライフバランス得点と、母親と子どもの属性、就労状況、保育状況との関連はみられなかった。仕事および育児の満足度とワークライフバランス得点の関連がみられ、仕事および育児の満足度が高い母親は、そうでない母親よりも、ワークライフバランス得点が有意に高かった。さらに、ワークライフバランス得点と育児のやりがい・職場の理解度との関連がみられ、育児にやりがいをより強く感じている母親のワークライフバランス得点が有意に高く、育児と仕事を両立して働くことへの職場の理解度が高いと認識している母親はそうでない母親よりもワークライフバランス得点が有意に高かった。 これらの結果から、働く母親のワークライフバランスの実現のためには、母親に関わる周囲の人々が仕事や育児の肯定的な側面を機会あるたびに強調する必要があること、母親が職場の人々から理解されていると感じることのできる職場の雰囲気作りが必要であることが示唆された。
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