2011 Fiscal Year Annual Research Report
働く母親のワークライフバランスと母子相互作用の縦断的研究
Project/Area Number |
21390603
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
三國 久美 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (50265097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 たい子 東京医科歯科大学, 保健衛生学研究科, 教授 (10156713)
草薙 美穂 天使大学, 看護学研究科, 講師 (90326554)
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Keywords | ワークライフバランス / 母子相互作用 / 就労女性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、働く母親とその子どもを対象とした調査を子どもが6ヶ月から3歳まで縦断的に実施し、働く母親のワークライフバランスと母子相互作用、子どもの発達との関連について明らかにすることである。今年度は、保育所に児を預けて働く母親を対象に縦断調査を継続し、子どもの月齢に合わせて、4時点のデータを収集した。質問項目は、母親と子どもの属性、就労状況、保育状況、仕事・育児・職場や家族に対する認識、ワークライフバランス得点である。また、承諾が得られた対象者には訪問によるデータ収集を行い、母子相互作用を測定した。縦断的データ収集が進行中のため、中間報告であるが、4時点のデータ収集ができた対象者23人のワークライフバランス得点の平均値は、子どもの月齢による違いがみられ、子どもが12ヶ月時で62.6点、18ヶ月時で71.7点、24ヶ月時で66.7点、30ヶ月時で64.8点と、子どもが12ヶ月時の得点が有意に低かった。また、仕事と家庭のうち、優先したいのは家庭であると回答した者は、子どもの月齢にかかわらず50%を超えており、実際に仕事を優先していると回答した者はワークライフバランス得点が低かった。 これらの結果から、働く母親のワークライフバランスの実現のためには、特に子どもが1歳頃の母親に配慮が必要である。また、家庭を優先したいにもかかわらず実際に仕事を優先していると認識する母親の仕事の負担を軽減するための検討の必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の対象者は、転出入の多い地域の居住者である。本研究対象者においても、転出者が多く、転出先不明や遠方への転出の場合には、データ収集を中断せざる得ない現状にある。これは縦断研究の限界でもあるが、調査回数が増えるほど、データ収集の中断者も増えている。その一方で、転出予定のない協力的な対象者も多く、このような対象者のデータは順調に収集できている。
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Strategy for Future Research Activity |
遠方に転出するものの、転出先の住所を把握できた対象者には、承諾を得て、訪問によるデータ収集ではなく、郵送法によるデータ収集法に切り替える。また、縦断データを元にしたデータ分析だけでなく、横断的なデータの分析を検討する。
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