2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21401002
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
溝口 常俊 Nagoya University, 環境研究科, 教授 (50144100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 聡 香川大学, 教育学部, 教授 (60210069)
土屋 純 宮城学院女子大学, 学芸学部, 准教授 (80345868)
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Keywords | バングラデシュ / 洪水対策 / 水環境社会 / 農村開発 / 援助 / 家族構成 |
Research Abstract |
本研究は、バングラデシュを実験的フィールドの地とし日欧の洪水経験・対策を活かして、洪水の被害を最小限にくい止ある新たな21世紀型水環境社会の構築を目指すことを目的とする。2009年9月に溝口と土屋はバングラデシュのタンガイル県バシャイル郡に赴き、雨期の農村生活を調査した。12月には溝口・土屋・村山が乾期の状況を調査した。また2010年3月には土屋がバングラデシュに、村山がドイツに赴き洪水関係の資料収集をおこなった。 バングラデシュにおいては、タンガイル県バシャイル郡とミルジャプール郡を研究対象地域として、1)両郡内のヒンドゥー教徒とイスラム教徒の集落別世帯数・人口数の調査、2)イスラム教徒の村であるカジラッパラとヒンドゥー教徒の村であるポストカムリ(壼造りの村)およびコロモカール(鍛冶屋の村)での聞き取り調査をおこなった。そこでは、洪水時の生活状況、バリ(屋敷地)内での家族別の住み分け、家族の土地、家畜などの資産、グラミンバンク他からの借り入れ状況、家族構成員と彼らの性別、年齢、職業、婚姻、1日の行動、出稼ぎ経験などを聴きとった。また、GPSを使用し、詳細な住宅地図の作成を開始した。こうした基礎的な調査に加えて、洪水対策を考えつつ、4)グラム・バングラというNGOに参加して、住民にとってもっとも必要とされる農村開発とは何かを考え、チューブウエル(井戸)の提供、植林などの援助を行った。 また、村山、土屋、溝口が全員が「水環境社会比較研究」シンポジウムで発表し、土屋と溝口は本研究の構想と調査結果の一部をダッカのBRAC大学とタンガイルの工科インスティチュートで報告した(2009.9)。村山はグラム・バングラと、氏がセンター長を勤める香川大学インターナショナルオフィッスとの間で国際交流協定を結んだ(2010.2)。
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