2009 Fiscal Year Annual Research Report
1920-40年代の中国・ソ連における民族政策の比較研究
Project/Area Number |
21401006
|
Section | 海外学術 |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上野 稔弘 Tohoku University, 東北アジア研究センター, 准教授 (10333907)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺山 恭輔 東北大学, 東北アジア研究センター, 准教授 (00284563)
|
Keywords | 中国 / ソ連 / 民族政策 / 一次資料 / 辺疆地域 / 少数民族 / 蒋介石 / スターリン |
Research Abstract |
本研究課題は史料の検索・収集が不可欠であり、初年度である平成21年度は現地での史料収集を精力的に行った。上野・寺山の合同調査として米国及び英国を訪問したほか、単独調査として上野は米国と台湾、寺山はロシアでの史料収集を分担して行った。米国ではスタンフォード大フーヴァー研究所で『蒋介石日記』や亡命白系ロシア人の文書等を閲覧した。英国では英国立公文書館と大英図書館で英国外務省及び旧インド省文書を閲覧した。『蒋介石日記』は2009年7月に完全公開されたが、鉛筆での筆写しか認められず、調査期間中に全巻を閲覧するのは困難であった。とはいえ、日記の記述からは蒋介石の辺疆民族問題に対する考え方とその変遷、特にソ連との関連性を強く意識していた点などが確認でき、従来の中国辺疆民族問題研究を補完・補強する重要な史料的価値を持つ文献であることを確認した。上野は今年度の閲覧成果をもとに日本現代中国学会で報告を行った。また英国の公文書はインドからアフガン、中国新疆を含む中央アジアの諜報網からもたらされる情報を多く含んでおり、中国やソ連の公文書に欠落している、あるいは閲覧困難で確認できなかった現地情報を補完するきわめて重要な史料的価値を有するものであることを確認した。さらに台湾・ロシアにおける調査では中華民国・ソ連の民族政策関連の史料を確認・収集した。今年度の調査を通じて、英米で収集した史料と中国・ロシア方面で収集する史料を連携させ、今後より多角的に問題を検証する可能性を実感することができた。また今年度初めて訪問した機関の史料所蔵状況や閲覧手続きなどを確認することができ、次年度以降の調査継続に向けての参考情報も得ることができた。
|
Research Products
(4 results)