2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21401009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤倉 達郎 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (80419449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山田 康 筑波大学, 人文社会科学研究科, 教授 (50344841)
足立 明 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90212513)
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Keywords | ダリト / 社会運動 / ネパール / インド / スリランカ / アクター・ネットワーク / 生活改善 / 紛争 |
Research Abstract |
本研究は、南アジア地域において、搾取や差別に対する闘いや農村の過疎化・疲弊に対抗しそ始まった社会運動の事例研究を行うことにより、自由化やグローバル化の中で急速に変貌する現代南アジア農村部の変容過程に光をあてるとともに、「第三世界」における社会運動と開発についての新たな分析視点の構築に貢献することを目的とする。 本研究は、ネパールにおける債務農業労働者の解放運動と南インドのダリト(被差別カースト)の地位向上運動を中心的な事例としつつ、バングラデシュの農村の疲弊と過疎化に対抗する農業改革と伝統保持の運動等を比較事例として来た。本研究では、これらの運動について、その「契機」と「結果」だけではなく、その過程の複雑さや、参加者の経験や解釈の多様性を重視している。そして、それらの記述・分析を可能にする一つの方法として、運動過程における記憶と記録を通した様々な可視化に着目したプロセス・ドキュメンテーションのアプローチを用いている。さらに、第二年度目においては、水俣学研究との対話を行うことなどを通してより普遍性と柔軟性のある、分析記述言語を探求して.いる。理論的動向としては、とくに教育学における、文化活動理論や、アクター・ネットワーク理論と政治理論の架橋を巡る論考を参照しながら議論を深めている。
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