2009 Fiscal Year Annual Research Report
ラオス・ルアンパバンにおけるサウンドスケープ調査とその地域環境計画への応用
Project/Area Number |
21401010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平松 幸三 Kyoto University, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (70026293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 利仁 京都大学, 工学研究科, 准教授 (00219370)
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Keywords | ルアンパバン / サウンドスケープ / アーカイブ / 環境計画 |
Research Abstract |
世界遺産に登録されているラオスの古都・ルアンパバンの地域特性、そこに暮らす人々の生活、さまざまな儀礼や文化活動との関わりについて聴覚的側面から考察することを目的として、平成21年度は音環境の現状把握を行った。具体的には、録音は定点観測地点で騒音測定とともに行い、それ以外で適宜注目される場所の音を録音している。特に、寺院の鐘、読経の音、ナイト・マーケットの音などを中心に録音した。寺院の音は、宗教儀礼と密接に結びついおり、かつ市民が日常的に寺院との関係を濃厚に維持していることから、今後も克明な録音を行う予定である。また、ラオス中に有名となっているラオスの正月(ピーマイ・ラーオ)を取材し、それに関連する多数の行事の模様を記録し、録音を実施した。市内の騒音測定の結果は、予想以上に音環境が悪化していることを示した。交通量の多い道路端での測定では、最大100dBを超える騒音レベルが観測された。市内の交通計画を提案する基礎資料として、騒音測定と併せて交通量の測定を行った。当初の予定には入れていなかったが、交通工学の研究者に調査に同行してもらい、交通制御の可能性についてアドバイスを得た。一方、市内の家屋、店舗の状況を撮影しておき、ルアンパバンの都市状況の実態を記録した。これは急速に変貌しつつあるルアンパバン市のタウンスケープの現状を記録し、将来のタウンスケープの変化とサウンドスケープの変化とを関連付けて論じるためである。
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